マーケットトレンド の ラテンアメリカのデータセンター建設 産業
IT・通信分野が市場で大きなシェアを占める
- 同地域では、IT・電気通信事業者による大規模な投資が行われている。デジタル技術の大規模な導入は、デジタルサービスへの接続やアク セスの増加など、様々な経路を通じて、世帯レベルでの所得格差を是正す る良い効果があることが実証されている。デジタル金融サービスは、受給資格や手ごろな価格の障壁を克服し、人々が安全で信頼できる方法でお金を貯めたり、お金を借りたり、リスクに備えることができるよう、企業を支援する。
- クラウド・コンピューティング、IoTサービス、ビッグデータの大量導入は、ソーシャル・ネットワーキングやオンライン・ビデオ・サービスのニーズの増大とともに、この地域の通信サービス・プロバイダーのインターネット・バックボーンの確立を後押ししている。 グーグルは、チリのバルパライソに自社の海底ケーブル「キュリーをドッキングさせた。このケーブルは、カリフォルニア州ロサンゼルスのエクイニクスLA4データセンターに直接接続されている。約10の海底ケーブル・プロジェクトが、前年比で高いデータセンター投資をもたらすだろう。
- ラテンアメリカのデータセンターは、高いラック密度に耐えられるよう設計されている。ITインフラの利用が増加しているため、ラテンアメリカのデータセンターでは、ラックの電力密度が平均4~6kWに増加している。ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)や仮想化などのソリューションに対するニーズの高まりにより、予測期間中もラック電力密度は8~10kWの間で成長し、結果として中南米のデータセンター建設市場を牽引することになる。
- ラテンアメリカ諸国は、強力なデジタル経済に不可欠ないくつかの柱にわたって優れた将来性を持っている。意味のある(安全で、生産的で、安価な)インターネット接続とデータへのアクセスは、デジタル経済の基盤である。中南米ではMAにより、ITテレコム企業の市場シェアも急上昇している。
ブラジルが市場シェアを独占する見込み
- クラウド・コンピューティングの拡大(COVID-19によりさらに拍車がかかる)、外資系クラウド・ベンダーの普及拡大、国内データ・セキュリティに対する政府の規制、国内プレイヤーによる投資の増加が、国内のデータセンター需要を牽引する主な要因のひとつである。国内には120近いデータセンターがある。
- 低遅延と高パフォーマンスに対する需要に加え、全国的な封鎖による最近の在宅勤務文化が、主にハイブリッド・マルチクラウド・エコシステムを実現するために、顧客や企業の近くにデータセンターを導入する動きを加速させている。
- ブラジル・ソフトウェア協会(ABES)によると、ブラジルはラテンアメリカ最大のテクノロジー・エコシステムである。また、エクイニクスが発表したデータによると、ラテンアメリカのIT投資は前年比1.3%増で、今後数年間は4~5%増が見込まれている。ブラジル人のIT産業と通信セクターへの投資額は、それぞれ約400億~500億米ドルに達するだろう。これにより、クラウド・コンピューティング市場、ひいてはデータセンター市場も大きく活性化すると予想される。
- ブラジル政府も、現地のデータセンター・インフラ整備に大きな役割を果たしている。同国政府によると、同国の一般データ保護法(LGPD)が施行される予定であり、これにより同国の多くの企業は、クラウド・アクセスをプライベート・ネットワークに移行し、ユーザー・データ保護を拡張するために暗号化サービスを更新せざるを得なくなると予想される。
- さらに、COVID-19は、エンドユーザー企業にリモートワークをサポートするよう強い圧力をかけ、クラウドとデジタル化の旅を急ピッチで進めている。IBMやマイクロソフトのような企業は、データセンターの拡張によって組織や政府機関がデータを法的根拠に基づいて管理することでデータ主権を維持できるようになるため、これがブラジルのデータセンター市場を後押しすると主張している。
- ブラジルの企業は、今後コンプライアンスや保護規制が強化される中で、データの管理を強化しようとしており、IBMのようなデータセンター・ベンダーは、ハイブリッド・マルチクラウド環境とともにクラウド機能を提供することで、顧客をターゲットにしている。