マーケットトレンド の 日本リアルタイム決済 産業
デジタル決済の普及が市場を牽引
- デジタル決済は広く採用され、国内でも人気が高まっている。主に利用されているデジタル決済方法には、QRコード決済、モバイル決済、非接触型カード決済などがある。このような普及の背景には、デジタル決済プラットフォームが提供する利便性とセキュリティの向上がある。
- デジタル決済は、即時送金、リアルタイム処理、簡単な照合、ユーザーへの便利なアクセスなど、さまざまな方法で迅速かつ効率的な決済インフラを提供することにより、リアルタイム決済の促進に役立っている。FISによると、日本のPOS現金決済のシェアは2021年に前年比15%減(前年は同7.8%減)となった。消費者はパンデミックの間、通貨に触れることを避けるためにデジタル決済を選択した。
- 日本政府によると、キャッシュレス決済は2025年までに日本の全取引の少なくとも40%を占めるようになり、2021年から約20%増加すると予想されている。日本政府は、デジタル決済の拡大が観光を後押しし、国内の金融セクターのイノベーションを刺激すると考えている。これは最終的にリアルタイム決済の需要拡大につながるだろう。
- さらに、日本政府は2023年春をめどに、企業が銀行口座を介さずに給与をデジタル決済できる制度の導入を計画しており、30%の企業が導入を検討している。こうした取り組みが、リアルタイム決済市場の成長をさらに後押ししている。
- 日本では若年層が消費経済の重要な部分を占めるようになり、テクノロジーに親しむ習慣に合わせてデジタルへの変化を求めている。また、消費者に報奨金やキャッシュリベートを与えることで、デジタル決済を普及させようとする大規模な政治的取り組みも、日本におけるデジタル決済の普及を拡大させる可能性が高い。
スマートフォンの普及が市場を牽引
- 日本におけるスマートフォンの普及は、モバイル決済、モバイルバンキング、アクセシビリティの向上、ユーザーエクスペリエンスの改善など、さまざまな形でリアルタイム決済の成長に重要な役割を果たしている。スマートフォンは、消費者にとってデジタル決済手段をより身近で便利なものにし、市場の成長に貢献している。
- 日本では、2021年には30~39歳の約92%がスマートフォンでインターネットにアクセスするようになる。20代の場合、その割合はやや低い。総務省によると、80歳以上で携帯電話を使ってインターネットにアクセスしている人は12.1%に過ぎない(日本)。
- 総務省が2021年9月に実施した調査によると、日本人がインターネットを利用する際に不安を感じる理由として、個人情報やブラウザの履歴の流出が圧倒的に多く、9割以上が挙げている。次いで、コンピューターウイルス攻撃、架空請求や詐欺が続いた。
- さらに、日本ではインターネットを利用する際に不安を感じる人が多く、高齢者ほどその傾向が強いことも明らかになった。このような傾向は、日本の人口のあらゆる層において、リアルタイム決済市場の成長を妨げると予想される。個人情報の流出は、若年層の決済習慣にも影響を与える可能性がある。
- また、スマートフォンの普及により、国内での商品やサービスの売買が増加したため、Mコマースの成長も市場拡大に寄与している。モバイル・コンテンツ・フォーラムによると、日本のMコマース市場規模は2021年時点で約4.9兆円に達する。