マーケットトレンド の ジャパンパワー 産業
火力発電が市場を支配する見込み
- 2023年時点で、火力発電所は日本の総設備容量の46.96%近くを占め、日本のパワーミックスに最も貢献している。送電事業者地域間調整機構(OCCTO)によると、2023年時点の日本の火力発電設備容量は481カ所以上の発電所から1億506万kW近くとなっている。
- 経済産業省のデータによると、日本には火力発電資産を保有する発電事業者が214社近くある。しかし、日本の火力発電市場は旧一般電気事業者に支配されており、火力発電設備容量の合計が3GWを超える企業は、北海道電力、東北電力、JERA、北陸電力、関西電力などの大手企業を含めても10社に過ぎない。
- 日本の火力発電部門はLNG火力発電所によって占められており、総発電容量の53.1%近くを占めている。経済産業省の統計によると、日本には69の発電所があり、平均設備容量は110万kWである。次いで石炭火力発電所が95基近くあり、総設備容量の32.2%を占めている。
- しかし、ロシアとウクライナの紛争が始まって以来、日本のLNG供給状況はますます悪化している。例えば、2023年には600万トン/年(MTPA)近くの長期LNG供給契約が満了し、日本の契約上のLNG供給量は8%近く減少すると予想されていた。
- 日本企業は2023年と2024年に、この傾向を逆転させるために主要なLNG供給国と新たな契約を交渉した。例えば、2024年5月、オーストラリアの石油・ガス会社であるサントスは、日本の北海道ガスと液化天然ガス(LNG)の長期供給・購入契約(SPA)を結んだ。この契約により、北海道ガスは10年間で年間最大40万トンのLNGを供給することになる。
- したがって、上記の要因により、予測期間中、火力発電が電力市場の最大セグメントとなる見込みである。
再生可能エネルギー市場の成長が市場を牽引するだろう
- 日本の再生可能エネルギー発電部門は、よりクリーンなエネルギー源への移行に向けた政府の強力なイニシアチ ブと、再生可能エネルギー技術の継続的な進歩に牽引され、大きな成長を遂げようとしている。日本は野心的な気候変動目標を設定し、カーボンニュートラルを目指している。
- 日本の第6次エネルギー戦略計画では、エネルギーミックスに占める再生可能エネルギーの割合を、2030年までに36%から38%に引き上げることを目標としている。脱原発にともない、日本は太陽光、風力、潮力などの自然エネルギーの採用を増やしており、外国エネルギーへの依存を減らし、国内のエネルギー革新を促進することを目指している。
- さらに、日本の経済産業省による「グリーン成長戦略は、2050年までにカーボンニュートラルを目指している。この戦略では、自然エネルギーの野心的な推進、原子力の復活、低炭素水素、先進原子炉、カーボン・リサイクルなどの最先端技術の採用が概説されている。このような動きは、再生可能エネルギー技術の進歩を推進する態勢を整えている。
- 経済産業省資源エネルギー庁の発表によれば、2023年9月現在、日本の再生可能エネルギー発電所は約473万カ所で、前年比で年間458カ所増加している。政府の支援的な戦略や政策により、再生可能エネルギー・プロジェクトに対する今後の投資が急増する中、再生可能エネルギー発電所の数は予測期間中に増加すると予想される。
- 例えば、2024年5月、アブダビを拠点とする政府系投資家ムバダラ・インベストメント・カンパニー(ムバダラ)は、PAGのアジア太平洋再生可能エネルギー・プラットフォームに投資した。このプラットフォームは、日本の企業に太陽光発電ソリューションを提供することを戦略的な柱としている。
- 政策、制度、野心的な再生可能エネルギー目標など、このような政府の強力なバックアップを考えると、日本の再生可能エネルギー市場は今後数年で成長する態勢が整っている。