マーケットトレンド の 日本画像診断装置 産業
がん領域は予測期間中に大きな成長が見込まれる
腫瘍学とは、腫瘍や癌の診断と治療のことである。腫瘍学は罹患率と死亡率の主要な原因の一つである。そのため、癌の診断における画像診断の必要性は高く、腫瘍やその他の異常の検出、病気の範囲の決定、治療効果の評価に使用されている。同地域におけるがん患者の発生率は、腫瘍学分野の成長を高めている
がん情報社が発表した2022年の統計によると、2021年に日本で新たに報告されたがん患者は約37万8,600人(男性21万8,900人、女性15万9,700人)であった。また、同出典によると、男性の部位別では肺がんがトップ(24%)で、直腸・大腸がん(13%)、胃がん(12%)、膵臓がん(8%)、肝臓がん(7%)と続く。このように、人口の間で癌の負担が大きいため、早期診断の必要性が高まり、CTスキャン、MRIなどの画像検査の需要が高まり、このセグメントの成長が促進されると予想される
さらに、主要企業による製品の発売や技術的進歩も市場の成長を後押ししている。例えば、2021年12月、キヤノンメディカルは放射線治療計画分野での存在感を強化するため、スペクトロニックメディカルのMRIプランナーソフトウェアとの統合を発表した
予測期間中、核医学イメージング装置セグメントが大きな市場シェアを占める見込み
核医学イメージングとは、患者に少量の放射性物質を投与して病気を診断するもので、循環器科、産科/婦人科、血管、泌尿器科など幅広い医療用途で使用されている
核医学イメージング分野は、整形外科疾患、神経疾患などの慢性疾患の負担増加や技術の進歩などの要因により、予測期間中に市場で大きなシェアを占めると予想されている。例えば、Journal of Orthopaedic Science誌に掲載された論文によると、2021年9月、日本では2030年までに40~64歳の女性に約7092件、65~74歳の女性に22,957件、75歳以上の女性に58,340件の人工膝関節置換術が実施されると予想されている。従って、人口の間で股関節と膝関節の手術件数が増加することが予想され、それが国内での核画像診断装置の需要を煽ることを示している
さらに、各社による技術的に高度な製品の増加は、慢性疾患を患う人々の治療への採用を増加させ、それゆえセグメントの成長に寄与している。例えば、島津製作所は2021年3月、頭部と乳房を対象とした新しいBresTome TOF-PET機能イメージングシステムを日本で発売した。このイメージングシステムは、一般的な全身用PETシステムの2倍の解像度を提供する
したがって、前述の要因から、この分野は予測期間中に成長すると予想される