マーケットトレンド の 日本の熱電併給 産業
天然ガスベースの熱電併給が大きな需要になる
- 従来、天然ガスはCHP用燃料の70%以上を占めていた。CHPに大きな需要がある化学セクターからの強い需要を目の当たりにしてきた。天然ガスは、長年にわたってCHP分野のロングラン・ランナーであり、効率、環境適合性、安全性の面でその名を馳せてきた。
- 優れたロジスティクスとインフラ、革新的な研究開発エコシステム、ビジネス・フレンドリーな環境、高度に統合された化学生産拠点が、過去に化学部門の大きな成長をもたらした。この成長は今後数年間も続き、天然ガスベースのCHPプラントの大きな需要につながると予想される。
- しかし、地域暖房用のガス需要は、政府が2050年までにすべての住宅ビルをオフガス化する計画を立てているため、影響を受けると予想される。これにより、住宅部門は、新規設備について他の燃料への切り替えを促すと予想される。
- メタンを主燃料とする天然ガスは、クリーンかつ安全に燃焼するため、メンテナンスが軽減され、CHPユニットの寿命が延びる。Pro2天然ガスCHPは、熱と電気を同時に発生させ、極めて高い効率を提供する。
- 東北地方以外では、日本の産業用CHPユニットのほとんどはガス燃料で、地元の都市ガス会社から供給される導管ガスを使用している。商業ビルに設置されたCHP装置も、主燃料として導管ガスを使用している。
- 富士山麓では、ブルクハルト社の木質ガス化CHPプラントが稼働を開始した。このユニークな発電所の中心となるのは、ブルクハルト社の木材ガス化炉V3.90と熱電併給プラントECO 165 HGだ。2019年5月以降、下川町ではブルクハルト社の熱電併給システムが11基稼働し、送電網に電力を供給している。同町はブルクハルト製木材ガス化炉が設置されている8カ所目であり、すでに日本で最も多くのシステムが設置されている。
- したがって、上記の点から、天然ガスを利用したCHPは、予測期間中、日本で大きな需要が見込まれる。
市場需要を牽引する政府の支援政策
- クールアース・エネルギー革新技術計画、新エネルギー利用促進特別措置法、新エネルギー・再生可能エネルギー導入支援といった政府のイニシアチブは、日本のCHP市場を後押しすると期待されている。
- 2050年までに地球全体の温室効果ガス排出量を削減するという長期目標を達成するため、2008年にクールアース・エネルギー革新技術計画が実施された。これに基づき、同委員会は、目標達成のために導入が義務づけられるべき21の革新的技術を選定した。これらの技術には、バイオ燃料、太陽光発電、高性能蓄電システムなどが含まれる。
- また、新エネルギー導入の進展を早めるため、新エネルギー利用特別措置法が制定された。この法律は、新エネルギーを利用する電力会社に対する財政支援策も提供しており、CHP市場の成長を今後数年間は後押しする。
- 新エネルギー開発機構(NEDO)は、プロジェクト・コストの削減と再生可能エネルギーの改善を目的として1980年10月に設立された。NEDOは、風力、太陽光発電、その他の再生可能エネルギーに関する様々な研究開発プロジェクトを実施してきた。
- 1997年、新エネルギー導入促進協議会(NEPC)は、新エネルギー技術や設備に投資する民間および公的機関を対象としたプログラムを開始した。このプログラムの対象となる技術には、太陽光発電システム、天然ガスコージェネレーション、風力、太陽熱、バイオマス熱、雪氷熱エネルギー、燃料電池などがある。したがって、これらの再生可能エネルギー技術は、今後数年間のCHP需要を牽引する極めて重要な役割を果たす。
- したがって、上記の要因に基づけば、政府の政策が予測期間中に日本におけるCHP市場の需要を促進すると予想されることが明らかである。