マーケットトレンド の イタリア風力エネルギー 産業
陸上風力発電の導入拡大が市場を牽引する見通し
- イタリアの電気エネルギー需要は大幅な伸びが見込まれている。エネルギー需要の増加に伴い、イタリアはクリーンなエネルギー源を提供できる再生可能エネルギー分野の導入に力を入れている。陸上風力発電の採用は、より高い風力ポテンシャルと技術とともに、高額の投資を行う企業を惹きつけ、その結果、同国の風力発電ポートフォリオを後押ししている。
- イタリアは、ヨーロッパにおける風力発電の累積導入量では第5位であり、2022年には11,780MWの風力発電が導入される。風力発電は、2022年のイタリアの再生可能エネルギーミックスの約20.7%を占める。
- イタリアの風力産業は、風力資源を利用できることから南部と島嶼部に集中している。同国の風力発電ポートフォリオは、建設中の陸上風力発電所プロジェクトで構成されている。
- 例えば、2023年7月、RWEは1億8,000万ユーロを投資して2つの新しい陸上風力発電所を建設することを決定した。これらの風力発電所はアプリア地方に建設され、合計108メガワット(MW)の発電容量を計画している。
- したがって、陸上風力エネルギーは、国内でのクリーンエネルギー需要の高まりと今後の陸上風力プロジェクトにより、予測期間中、展開場所別に市場を牽引すると予想される。

代替クリーンエネルギー源の採用増加が市場成長の妨げになる可能性が高い
- イタリアは、太陽エネルギー発電においてヨーロッパ地域をリードする国のひとつである。イタリアには膨大な太陽エネルギーの潜在力がある。総太陽射量は、ポー川流域の1平方メートルあたり1日3.6kWhから、中南イタリアの1平方メートルあたり1日4.7kWh、シチリア島の1平方メートルあたり1日5.4kWhに及ぶ。
- 2022年末には、同国の太陽エネルギー発電容量は2,510万kWに達し、同国の豊富な太陽資源を新しい技術で利用することで、より高い成長率を実現する。
- 太陽電池技術の進歩は、太陽電池モジュールの大幅な低価格化をもたらし、太陽エネルギーの経済性は著しく向上した。イタリアは、政府の技術進歩や政策レベルの支援により、今後数年間で太陽エネルギー市場の成長が見込まれる。
- イタリアの太陽光発電市場を牽引する主な要因は、今後予定されているソーラールーフトップやソーラー設置プロジェクトである。例えば、エネル・グリーン・パワー(EGP)は2022年4月、イタリアにソーラーパネルのギガファクトリーを建設する契約を欧州委員会と締結した。この施設は、シチリア州カターニアにあるEGPの3Sun太陽電池パネル工場に建設される予定で、太陽電池モジュールの製造能力を200MWから3GWに引き上げることを目標としている。
- イタリアでは2022年に約2,483MWの太陽光発電容量が導入された。さらに、国家エネルギー・気候計画によると、太陽光発電容量は2030年までに約51,200MWまで増加すると予測されている。その一方で、水力発電所の多くが老朽化しているため、国内ではいくつかのアップグレードプロジェクトが進行中である。
- したがって、太陽光や水力などの代替クリーン・エネルギーは、予測期間中の市場成長を妨げる可能性が高い。
