マーケットトレンド の イタリアの交通インフラ建設 産業
イタリアで高まるトロリーバス需要
イタリアでは、電気バス用の信頼できるインフラが存在するため、トロリーバスの需要が顕著に増加している。欧州各国で「ゼロ・エミッション運動が進行していることから、メーカーは技術革新と開発戦略の再定義を迫られている
欧州のトロリーバス市場の関係者は、環境面だけでなく運行面でも効率的なトロリーバスを提供しようと、常に最先端技術を活用している。ヨーロッパ諸国の中でも、イタリアはトロリーバスの巨大な市場需要を生み出すと期待されている
また、大手メーカーのひとつであるヴァン・フールは、地元の公共交通機関向けにトロリーバスを発売するため、地元の運輸省と協定を結んでいる。フランスとギリシャは、今後数年間、トロリーバスの販売を盛んにすると予測されている政府の支援政策の観点から、イタリアをリードすると予想されている
交通インフラ建設セクターを後押しする鉄道への政府支出の増加
イタリア政府は、2021年にパンデミック危機後の同国経済の刷新のために2660億米ドルを承認した「復興と回復のための国家計画(PNRR)の下、インフラ部門の建設活動が力強い伸びをみせている。この復旧・復興計画(RRP)の中から、持続可能なモビリティ・ミッションのためのインフラ投資として、政府は高速鉄道283億ユーロ、道路整備40億ユーロ、複合一貫輸送・総合物流37億ユーロなど、320億ユーロを割り当てている
貨物・旅客両部門からの需要増加が見込まれるため、RRPsミッション3のもと、5年間(2021~2026年)の間に、旅客・貨物用の南回り高速鉄道リンクの建設、欧州を結ぶ北の高速路線、対角線接続、港湾建設の拡大による港湾容量の増加などのメガプロジェクトが建設される予定である
イタリアで交通インフラ建設活動が活発化しているもう一つの理由は、一般市民の需要である。2020年のローマ・テルミニ駅の年間利用者数は約1億6,000万人、ミラノ・チェントラーレ駅の年間利用者数は約1億2,000万人、トリノ・ポルタ・ヌオーヴァ駅の年間利用者数は約7,000万人である。これらの数字は、イタリアの鉄道および公共交通機関に対する需要の高さを示すのに十分である