マーケットトレンド の イタリアの太陽エネルギー 産業
太陽光発電(PV)導入の増加が市場を牽引
- 太陽光発電(PV)は、太陽からの放射線やエネルギーを直流の電気に変換する太陽光発電材料を含むセルのアレイである。さまざまな半導体(通常はシリコン)と、電流損失を減らすための導電性の高いワイヤーで構成されているため、高価である。しかし、運用コストが低いため、今後数年でさらにコストが下がると予想されている。
- SolarPower Europeのレポートによると、イタリアでは2021年に太陽光発電の累積容量が2259万kWに達した。同国は2025年末までにさらに7.1GWを追加する計画で、これが今後数年間の同分野の成長を牽引する可能性がある。
- 2022年9月、同国のエネルギー庁は42カ所で293.7MWの太陽光発電容量を受注し、プロジェクトの容量は1.5MWから85.8MWの規模に及んだ。
- 2020年5月、イタリア政府はCOVID-19パンデミック関連の経済救済策の一環として、建物のエネルギー効率改善とともに設置される住宅用太陽光発電システムに対する110%の税制優遇措置を新たに導入した。
- このように、有利な政府政策に支えられた継続的な開発・生産能力増強により、PV分野は予測期間中市場を支配するとみられる。
今後のプロジェクトと政府政策が市場を牽引する見通し
- イタリア政府は、2030年までに発電量に占める自然エネルギーの割合を55%まで引き上げ、太陽光発電容量を52GWにすることを計画している。これが達成されれば、再生可能エネルギーにおける太陽光発電のシェアは大幅に拡大する。
- イタリアで設置された太陽光発電システムの数は、2010年の160.9千から2021年には110.6万に増加した。今後予定されているプロジェクトにより、太陽光発電の設置容量は予測期間中に大幅に増加すると予想される。
- 2021年、太陽光発電の普及を加速させるため、イタリア政府は許可のボトルネックを取り除く簡素化法令を発表した。国営送電網運営会社Ternaは、送電網を改善するために今後10年間で215億米ドルを投資する計画である。
- ソーラーパネルのプロジェクト開発が進んでいることから、ソーラーパネル市場は予測期間中に大きく成長すると予想される。例えば、エネル・グリーン・パワー社は2022年10月、イタリア北西部のピエモンテ州に86MWの太陽光発電所を建設する工事を開始した。この新しい施設は約130ヘクタール(321エーカー)の土地を占め、16万枚近いモジュールを搭載する予定である。
- 2023年から2025年にかけて、さまざまな再生可能エネルギー・プロジェクトの入札が行われる予定だ。政府は、ユニタリー・タリフを確保することで市場リスクを排除することを目指しており、大規模な発電所では、これまでのインセンティブ・プランよりも市場価格に近い基準価格が設定されることになる。
- イタリア政府の今後の政策と新規プロジェクトにより、太陽光発電市場は今後数年間で大きな成長を記録すると予想される。