マーケットトレンド の イタリアの高級住宅不動産 産業
住宅ローン金利の低下によりイタリア全土で住宅物件が増加
住宅を購入するためのローンを組む費用も、高級住宅用不動産の市場に影響を与えている。ほとんどのイタリア人は住宅を購入するために住宅ローンを組み、住宅ローンによる負債は家計負債全体の約70%を占めている。連邦準備制度理事会(FRB)の積極的な利下げと量的緩和の結果、国債利回りが低下し、住宅ローン金利が低下した。この分野の専門家によれば、現在の住宅ブームは、低金利、高い需要、限られた供給が混在した結果だという。非難すべき政策がひとつもなく、簡単には解決できない状況に、多くの人が痛感している
2018年第1四半期から2021年第2四半期にかけて、イタリアの住宅ローン金利は大きく下がった。他の欧州諸国と比較すると、イタリアの金利は低く、住宅価格も下がっているため、不動産市場への関心が戻ってきている。危機以前の水準には達していないとはいえ、高級住宅用不動産市場の取引件数と住宅購入のための住宅ローン件数は、イタリアの不動産セクターが上向きであることを示している
ミラノは近年、イタリア国内外を問わず、以前よりも多くの人々や投資を惹きつけることができるようになった。これは、ミラノがイタリアのビジネスと金融の中心地であると同時に、イノベーションの中心地でもあるからだ。この成長力と新しいことへの挑戦力は、国内で最も活発だった高級住宅不動産市場にも反映された。2012年以降、高級住宅の販売件数と価格は右肩上がりだ。現在では、市内で最も高価な住宅購入地のひとつとなっている地域もある
住宅市場の需要は引き続き高水準で推移
COVID-19は高級住宅用不動産市場に大きな影響を与えたが、マイホームを購入する人が増えているため、住宅市場は依然として好調だ。この分野の需要のほとんどは、マンションとアパートから来る。この分野の需要の大半は、マンションとアパートである。マンションと比べれば、アパートがこの分野を支配する可能性が高い。というのも、2021年第2四半期には、マンションよりも多い6万4,000戸のアパートが竣工するからだ
イタリアの住宅所有率は2008年以来高く、約70%である。2021年第4四半期には消費者の需要を満たす住宅が14万戸以上あり、その89%以上を所有者と賃貸者が占めている。さらに、このセクターの売上に貢献しているのは、国内の高齢者や中高年層が大半を占めている。例えば、2021年第1~4四半期には、45~65歳の人々が住宅所有率の70%以上を占めるようになる。また、2021年の住宅所有率の伸び率は、パンデミック時の消費者行動の変化により前年より若干低下したものの、底堅さを維持している。2019年には、イタリア人の約72.4%が持ち家世帯に住んでいた