マーケットトレンド の イタリア自動車用複合材 産業
スーパーカーの販売が市場を牽引
自動車産業が減速しているにもかかわらず、スーパーカー市場は世界中で目覚ましい需要を目の当たりにしている。イタリアは、ランボルギーニ、フェラーリ、ブガッティなど多くのスーパーカーブランドの本拠地である。これらのスーパーカーは、軽量化と車両性能の向上を目指し、カーボンファイバーやその他の複合素材を車両に使用している
例えば、フェラーリ・オーストラリアは、2019年の新車販売台数が257台で、前年の241台から6.6%増加し、2012年の98台から2.5倍となった
ランボルギーニは、2019年の1年間に43%という目覚ましい成長を記録した。期間中、同ブランドは合計8,205台を販売した。過去2年間で、同社は販売台数を2倍以上に伸ばした
2019年、ランボルギーニ車に使用されるカーボンファイバー素材が国際宇宙ステーションに送られ、温度やその他が華氏マイナス40度から392度)、さらに地球の大気圏の最も高く希薄な層から大量の紫外線、ガンマ線、原子状酸素が照射される過酷な条件でのテストが行われる
2019年7月、ランボルギーニはヴェネーノ・ロードスターを販売用に発表した。スーパーカーのボディはカーボンファイバー製(内装、外装とも)で、販売台数は9台のみ
炭素繊維が最大の市場シェアを占める
自動車に炭素繊維を使用するメリットはいくつかある。自動車全体の軽量化に役立つため、燃費が向上し、大気中の有害なガスの排出を抑えることができる
また、炭素繊維の生産工程は鉄鋼生産よりも環境に優しく、鉄鋼生産の約14倍のエネルギー集約型であるため、生産時の有害ガスの排出抑制につながる
企業が自動車部品製造のために新たなパートナーシップを結び、炭素繊維の新技術を発表しているため、炭素繊維の需要は予測期間中に増加すると予想され、ひいては欧州市場における自動車用炭素繊維の成長を促進する一助となっている
炭素繊維分野の成長は、炭素繊維を使用してフェンダー、ボンネット、バンパービーム、デッキリッドなどの自動車の外装部品を製造するメーカーからの需要が増加していることに起因している。炭素繊維は自動車の耐久性を高め、自動車部品の長寿命化を実現する。複合材料で製造された外装部品は剛性が高く、その結果、事故の際に乗員へのダメージが少ない