マーケットトレンド の イランの石油とガスの下流 産業
石油精製が成長を遂げる
- イランでは、製油所の能力は2015年の日量1985千バレル(kb/d)から2018年には2225kb/dに増加していた。製油所処理能力は2017年の1968kb/dから2018年には2026kb/dと5.9%増加した。石油生産量の増加も製油所処理能力の伸びを高めている。
- ビドボランド・ペルシャ湾ガス精製所は建設中で、30億米ドル以上が投資される見込みである。同製油所のガス処理能力は日量約5,600万立方メートルで、340万トンの石油化学原料を生産する予定である。
- 石油消費量は、2017年の84.5百万トンから2018年には86.2百万トンへと2%増加した。消費量のわずかな増加は、同国の経済停滞に起因している。
- イランの石油精製能力は、米国の制裁措置のため、予測期間中に成長が鈍化すると予想される。同国における石油生産量の増加は、輸送コストを低下させるため、同部門の成長を牽引する要因のひとつになると予想される。
川下分野への投資の増加が市場を牽引
- 同国のガス生産量は、上流部門への投資の増加やサウスパース油田のような新しいガス田の生産により、2015年の157.8から2018年には205.9へと、前年比6.9%増と急速に増加している。同国は世界第2位のガス埋蔵量を誇り、石油化学製品の増産に利用される可能性がある。
- イランでは2018年、原油の総蒸留能力は220万b/dをわずかに上回った。精製能力が最も高いのはアバダン・リファイナリーで、日量40万バレルの精製能力がある。
- ペルシャ湾スター製油所は2019年にコンデンセート処理能力を40,000バレル増強するプロジェクトで拡張された。同製油所の現在の処理能力は日量40万バレルで、今後さらに投資が行われる見込みで、54万バレルまで増加すると予想されている。
- 従って、川下分野への投資の増加は市場を牽引し、予測期間中の成長を高めると予想される。