マーケットトレンド の IoTセキュリティ 産業
ネットワーク・セキュリティが最速の成長率を記録する見込み
- IoTネットワークは、世界中の企業にとって重要な標的であり、最大の関心事である。ネットワーク・セキュリティ・セグメントには、ファイアウォール、サーバー、VPN、IDS、IPS、WIDPS、ゲートウェイ、ネットワーク・ハードウェアなど、さまざまなサブセグメントが含まれる。企業におけるBYODやIoTの採用傾向の高まりは、企業ネットワークへの攻撃に対するセキュリティ上の懸念を増大させている。例えば、IT Candorによると、2018年度の世界ネットワークハードウェア市場規模は1810億米ドルと評価されている。エンタープライズ・ネットワーク・ハードウェアだけで520億米ドルと評価されている。
- IBM X-Forceの脅威インテリジェンス・レポートによると、2018年には、IoTの脆弱性の数がわずか5年前に報告された数よりも5,400%増加したことが記録されている。2016年に発生したMirai攻撃は、IoTを利用してサーバーを攻撃した顕著な例である。このマルウェアはボットネットを使用し、15万台以上のデバイスを参加させ、ベンダーのサーバーに毎秒1TBのデータを送信した。
- 現在までのところ、IoTを利用した攻撃の大半はDDoSの形で発生している。シマンテックのレポートによると、LightAidra、Kaiten、Miraiといった3種類のDDoS関連マルウェアが、2018年のIoT攻撃の80%近くを占めている。
- 市場の多くのベンダーは、ネットワーク・セキュリティに関連する問題に取り組むためのソリューションを提供することを重視している。例えば、Palo Alto Networksは、ファイアウォールを介した統合サービスとしてIoTセキュリティを提供している。この機能は、Palo Alto NetworksによるZingboxの最近の買収によるものである。様々なベンダーによるこのような取り組みは、予測期間にわたってネットワークの脅威を緩和し、ネットワークセキュリティ分野の市場需要を促進すると期待されている。
アジア太平洋地域が最大の市場シェアを占める
- アジア太平洋地域はIoTの導入が最も進んでいる地域であり、これは同地域で建設されているスマートシティプロジェクトによるものである。アジア太平洋地域の大規模な工業化とモバイルデバイスユーザーの増加も、同地域が著しい成長を遂げると予想されることを示している。
- シスコのVNIレポートによると、2022年までに同地域のインターネットユーザー数は26億人(人口の62%)となり、2017年の17億人(人口の41%)から増加する可能性がある。また、同地域のネットワーク化されたデバイス/接続数は、2017年の86億から2022年までに131億になると推定される。しかし、ファイア・アイの報告書によると、アジア太平洋地域は、世界と比較した場合、高度なサイバー攻撃の標的になる可能性が35%高い。
- 情報通信研究機構(NIICT)によると、IoTデバイスへのサイバー攻撃は大幅に増加している。NICTの予測によると、2015年には150億台だったサイバー攻撃の数は、2020年には300億台に達する可能性があるという。このような事例により、政府や関連組織は被害を軽減するためにIoTセキュリティ・ソリューションの導入を推進している。
- IoTのトレンドが高まる中、中国の技術革新は中国の消費者のスマートホーム市場の需要増につながっている。同国の中心的なスマートホームシステムは、照明制御システム、セキュリティシステム、エンターテインメントシステム(オーディオとビデオ)、家電製品などで構成されている。