マーケットトレンド の 工業用X線検査装置と画像処理ソフトウェア 産業
石油・ガス産業の需要回復が市場を牽引
- 石油・ガスは、X線検査装置および画像処理ソフトウェア市場の最大エンドユーザーの1つである。同分野の検査サービス需要は、北米を中心に急速に伸びている。
- 例えば北米では、カナダと米国の石油・ガス産出量がここ数年で急速に伸びている。実際、国際エネルギー機関(IEA)は、米国だけでも現在から2023年の間に日量約370万バレルの原油が増加すると予測している。
- トランスカナダ社のキーストーンXLパイプライン、プレインズ・オール・アメリカン・パイプラインLP社のパーミアン・ベースン・トゥ・クッシング・パイプライン、テキサス州のカクタスIIパイプライン、オクラホマ州のシマロン・エクスプレス・パイプライン、テキサス州、ニューメキシコ州のEPIC原油パイプライン、テキサス州のグレイ・オーク・パイプライン、キンダー・モーガン社のロアノーク・エクスパンション・プロジェクト、プランテーション・パイプライン社などのパイプライン建設プロジェクトは、2020年前半までに完成する予定である。こうしたプロジェクトにより、米国では今後数年間、安全対策の一環として検査・画像処理システムの需要がかなり高まると予想される。
- しかし、COVIDの状況を踏まえると、石油・ガス会社は原油価格の低迷に対応するため、投資を抑制しており、収益や生産量が減少している。これらの要因は、石油・ガス会社にとって短期的には大きな課題をもたらし続けるだろう。
アジア太平洋地域が最大の市場シェアを占める見込み
- 世界的な安全保障上の脅威の高まりと、中国、インド、日本といった地域の大国による国防支出の増加が、世界の国防セクターの収益成長を牽引すると思われる。同地域は世界の防衛予算の5分の1以上を占めており、今後も成長が見込まれる。
- 自動車部門では、2018年の中国の生産台数は緩やかな伸びにとどまり、乗用車の総生産台数は2,370万台に達した。中国は、世界の乗用車生産台数の29%を占め、世界の乗用車生産台数の中で業界トップの地位を維持した。
- 日本政府は、石油と天然ガスの安定供給を確保するため、国内の生産量が少ないことを理由に、世界各地で探鉱・開発プロジェクトを増やすようエネルギー企業に働きかけている。さらに、日本の検査市場は非常に競争が激しく、規制により安定した成長を遂げている。
- さらにインドは、700MWeの原子炉10基を新たに建設することで、自前の原子力発電計画に投資することを計画している。また、クダンクラムにロシア設計の国際原子炉を開発中である。このため、X線検査ベンダーは、拡大するインドの原子力市場においてチャンスを得ている。
- これらすべての要因が、予測期間中の同地域における工業用X線検査装置と画像処理ソフトウェアの需要促進に寄与するだろう。