マーケットトレンド の 工業用でんぷん 産業
工業用澱粉の有力な供給源としてのトウモロコシ
とうもろこし由来のでんぷんは、その食感特性、特に乳製品や飲料などの産業における増粘剤として高い需要がある。この原料はまた、グルテンフリー製品の開発においても優位に立つ。これは、小麦由来の澱粉にとっては、抽出の際に痕跡が残る可能性を考慮すると難しい課題である。クリーン・ラベルの原料や製品のトレンドは、世界の食品・飲料業界に大きな影響を与えている。さらに、食品加工産業の急速な拡大は、原料メーカーが増大する需要に対応するための戦略的手段を採用する大きな機会を提供している。非食品用途に関しては、製紙業界がコーンスターチをフィラーやサイジング材料として利用している。また、繊維産業、洗濯産業、鋳造産業、空気浮上産業、接着剤産業にも応用されている。様々な産業におけるコーンスターチの幅広い用途が、市場成長の原動力となっている
北米が工業用澱粉市場で大きなシェアを占める
あらゆる原料を活用する食品産業が高度に発達している北米は、地域別工業用澱粉市場でポールポジションを占めている。世界的に見ると、米国はトウモロコシの最大の生産国で、2021-2022年の生産量は3億8,394万トンで、デンプン生産を含む様々な応用分野で利用されている。同市場はグルテンフリー食品の消費に大きく傾斜しており、グルテンフリー原料の製品表示に関する規制が厳しい同国政府に支えられている。そのため、米国ではほとんどの改質食品用でんぷんがグルテンフリーで、トウモロコシ、ワキシーメイズ、ジャガイモに由来する。その結果、小麦由来の澱粉の市場シェアは低くなっている。カナダの工業用澱粉市場は、健康的でクリーンな原料に対する消費者の需要の高まりにより急成長している。同国では特に、微妙な風味を持つ淡色の用途が、在来種の澱粉の需要を牽引している。地元メーカーは加工食品にこれを使用し、製品の魅力維持に役立てている