マーケットトレンド の インドオフィス不動産 産業
ITとBPMセクターがオフィススペース需要を牽引
インドでは、オフィスセクターが活況を呈しており、投資額は30億米ドルを超え、前年比53%増となった。この上昇の主な要因は、グローバル・ケイパビリティ・センター(GCC)からの需要の高まりと、インド企業による活発なリース活動であり、現在、市場全体のリース活動の46%を占めている
GCCのモデルもまた、コスト裁定や標準化を中心としたセンターから、顧客体験やテクノロジー主導のハブへと進化しつつある。テクノロジーは一貫してオフィススペースのリース需要を牽引している。全体の需要の約35%を占めるハイテクセクターの影響力は、ベンガルールやハイデラバードなどの都市では40%を超えている。政府のインフラ投資に後押しされ、BFSIセクターも繁栄している。一方、ハイブリッドワークの台頭はフレキシブルなワークスペースの重要性を浮き彫りにしている。さらに、グローバルなサプライチェーン再編に後押しされ、エンジニアリングや製造業も拡大している
オフィス不動産ブームをリードするベンガルール
インド産業連盟によると、インドのITの中心地であるベンガルールは、2030年までに3億3,000万~3億4,000万平方フィートのオフィスストックを誇り、国内の商業不動産市場における優位性を維持すると予測されている。2024年6月現在、同市のオフィスストックは2億2,300万平方フィートを超え、10年前の1億平方フィートから2倍以上に急増している。2024年上半期には、10万平方フィートを超えるオフィススペースの取引が前年同期比で54%急増し、2023年上半期の1,018万平方フィートから2024年上半期には1,569万平方フィートに増加した。この成長により、同市は国内主要都市の中でオフィススペースの主要拠点となっている
2030年に向けて、ベンガルールのオフィス市場は主にテクノロジー、エンジニアリング、製造業、BFSIセクターが牽引するとみられる。さらに、ライフサイエンス、航空、自動車産業もこの需要急増に大きく貢献する存在として浮上している。現在、テクノロジーセクターが市の年間吸収額の30~35%を占め、商業の中心地であるアウター・リング・ロードやホワイトフィールドで強い存在感を示している
2022年から2024年6月までの間に、ベンガルールはインドにおけるGCCの需要において41%の圧倒的なシェアを占めた。この実績は、熟練した労働力、高級グレードA資産、強固なハイテクインフラといったベンガルール独自の提供物に起因している