マーケットトレンド の インドカシューナッツ 産業
カシューナッツ・スナックの需要増加
食用カシューナッツは、国内では古くからスナックとして利用されてきたが、特にアジア料理では、お菓子や料理の主な材料の1つとしても使われてきた。また、ミューズリー、エナジーバー、クッキー、チョコレート、アイスクリームの材料として使われることも増えている。カシューナッツには、人間の骨の健康を改善する銅などの栄養素が多く含まれており、1オンスのカシューナッツには622マイクログラムの銅が含まれている。また、カシューナッツはピーナッツに比べて食物繊維が比較的多く、消化機能を高めることで健康的な体重を増やすのに役立つ。また、カシューナッツはピーナッツに比べて鉄分とマグネシウムの含有量が多く、体内の酵素反応を促進する。このような栄養価の高さから、インドのスナックメーカーは、乳糖を含まない牛乳の代用品として機能するすぐ飲めるカシューミルクなど、カシューナッツをベースにしたスナックをいくつか発売し、需要に応えている。例えば2023年には、高品質の自然食品を製造するZ Natural Foods, LLC.が新製品「有機抹茶カシューミルクを発売した
British Journal of Nutritionに掲載された研究によると、週に4回以上ナッツを摂取する人は、冠動脈性心疾患のリスクが37%減少するという。このような結果を受け、高カロリーのチョコレート・バーに代わるヘルシーなスナック・バーの製造に、より多くのカシューナッツが使用されることが期待されている。カシューナッツの付加価値と消費は、ほとんどの企業にとって新たな取り組みや開発につながる。カシューナッツ・パルプやその他のカシューナッツ由来製品のプロジェクト開発に向かっている。例えば、2023年、Sahyadri Farms社は、1日当たり100トンのカシューナッツを加工できる最大のカシューナッツ加工工場をナーシクに設立した。カシューナッツを加工する一方で、殻からカシューナッツ・オイルも生産し、この工場での生産の経済価値を向上させている

生産能力の増強
インドは世界第2位のカシューナッツ生産国である。インドのカシューナッツはその優れた品質で世界的に知られている。カシューナッツの生産規模が大きいだけでなく、インドはカシューナッツ加工のパイオニアとしても知られ、カシューナッツの核を世界に輸出している。カシューナッツ加工産業は、ゴア、ヴェッタパラム(アンドラ・プラデシュ州)、コラム(ケララ州)、マンガロール(カルナータカ州)に集中していた。しかし、現在はインドの多くの州に広がっている。長年にわたり、インドはカシューナッツ産業の世界的な加工拠点として台頭してきた
ゴア州には、カシューナッツの大小に分かれた約30数ユニットがある。Ajanta Industries社やZantye Cashew社のようなカシューナッツの輸出業者もあるが、設立された加工工場のほとんどは、国内市場向けを好んでいる。そのため、加工工場の増加に伴い、生カシューナッツの生産量も増加している
カシューナッツの国内需要および輸出需要の増加に対応するため(インドは世界最大のカシューナッツ消費国であり、カシューナッツ・カーネルの輸出国としては第2位である)、インド企業は最近、アフリカでの資金調達や加工施設の管理として大規模農園の購入に投資している。例えば、2022年、ナッツ・キング・ブランドを所有するインドの食品会社ベータ・グループは、ギニアビサウのカシューナッツ加工に1億米ドルを投資した
