マーケットトレンド の ヒューストン データセンター 産業
ハイパースケールデータセンターの高い普及率
- CBREの新しい調査によると、ヒューストンのデータセンター開発量は2021年に史上最高を記録し、北米のデータセンターリースは歴史的な水準に達した。ヒューストンの著名なソーシャルメディア事業者の需要により、同市場のデータセンター建設パイプラインは年末までに46メガワット(MW)に達し、2020年末の9.3MWの約4倍に達した。しかし、業界のコスト抑制懸念に対応したエネルギー企業のフットプリントの適正化により、昨年のリース活動は191%減少し、純吸収量は-3.4MWとなった。2021年の空室率は552bp上昇し28.4%となった。
- リース活動の鈍化にもかかわらず、新築物件の78.4%がプレリースされており、ヘルスケアおよびエネルギー産業の見通しも明るいことから、データセンター事業者にとって市場は依然として魅力的である。同地域の電力料金も北米で最も低い水準にある。データセンター事業者は、高稼働率・高コストの主要市場から、より安価で土地や電力に余裕のある二次・三次地域へとシフトしており、ヒューストン市場は今後数年で拡大する見通しだ。
- デジタルITインフラへの需要が高まるなか、ハイパースケーラーとエッジデータセンターがデータセンター市場で最も急成長するセグメントとなる見込みだ。実際、データ処理とストレージの需要増に対応しようとする大手IT企業が増える中、ハイパースケール市場は2021年から2026年の間に20%増加すると予測されている。現在、世界で314カ所の新規ハイパースケールサイトが建設中で、その数はわずか5年前の約500カ所から、2024年末には1,000カ所を超えそうだ。Uptime Instituteによると、ハイパースケールのキャパシティは米国が53%を占めている。
- ハイパースケールの需要が史上最高水準にあることから、部分金利交換や新築物件のフォワードセールの増加が予想される。さらに、金利の上昇により、資金調達を目的とした企業のセール・リースバック取引も活発化するだろう。
クラウドとITベースのビジネス・オペレーションへの移行の増加
- クラウド・アプリケーション、人工知能(AI)、ビッグデータの採用拡大が、データセンター市場の需要を牽引している。より多くの企業や組織が業務をクラウドに移行するにつれて、そのニーズをサポートするためにより大規模で高度なデータセンターが必要となる。
- クラウドアプリケーションは、企業がハードウェアにインストールして保守するのではなく、インターネット経由でソフトウェアやサービスにアクセスできるため、近年普及している。このため、クラウドベースのデータ・ストレージや処理機能に対する需要が高まっており、通常、大規模データセンターがこれを提供している。
- クラウド・コンピューティングのおかげで、データセンターのモデルは変化した。ハードウェア上で稼働し、多くのスペースを必要とする従来のデータセンターは、もはや実用的ではなくなった。クラウド・プロバイダーによるストレージ、コンピューティング、ネットワーク・リソースの商業化の結果、ハイパースケールのクラウドベースのデータセンターが出現した。これらのパブリック・クラウド・サービス・プロバイダーは、これらのデータセンターを直接所有し、管理している。
- さらに、データのプライバシーとセキュリティに対する要求の高まりが、データセンターへの需要を煽っている。サイバーリスクやデータ漏洩が増加しているため、企業や組織は安全で信頼できるデータ保存・処理ソリューションを求めており、これは高度なデータセンターでしか提供できない。企業や組織が業務をサポートするためにこうしたテクノロジーへの依存度を高めるにつれ、データセンターのニーズは高まるだろう。データセンター市場への参入に関心のある企業や投資家にとって、これは大きな可能性を秘めている。