マーケットトレンド の 大豆油 産業
バイオディーゼルにおける大豆油の利用拡大
大豆の作付面積は他の油糧作物よりはるかに多いため、大豆油の生産量は多く、バイオ 燃料原料として利用可能である。バイオディーゼル製造に大豆油を使用することには多くの利点がある。大豆は広く栽培されているため、栽培、輸送、加工のためのインフラや設備はすでに存在する。さらに、残った大豆粕は家畜の飼料として重要である。大豆油のバイオディーゼルへの利用は、全米大豆委員会(United Soybean Board:USB)を通 じた米国の大豆農家による推進と、それに続く全米バイオディーゼル委員会(National Biodiesel Board:NBB)の設立に大きく影響された。EIAによると、バイオディーゼル原料として消費される大豆油の総シェアは、2010-11年の約15%から2017-18年には30%へと倍増した
北米が市場で突出したシェアを占める
バイオディーゼルは、国内での大豆油消費量の増加をもたらしている。食糧需要の低迷は、大豆油を主原料とする米国のバイオディーゼル生産量の増加によって相殺されている。米国農務省の報告によると、大豆生産量は当初(2010/11~2011/12年)減少し、その後収量と作付面積の緩やかな改善とともに漸増した。予想される米国産大豆の供給増加により、国内使用量と輸出量は緩やかに増加する。しかし、海外との競争激化に直面し、米国の農家が作付面積を飼料用穀物にシフトしているため、米国大豆産業の成長は今後数年間で鈍化する可能性が高い。大豆の純収益は異例の高水準まで上昇する可能性が高いが、トウモロコシの純収益を下回ることが予想され、その結果、米国産大豆の作付面積は徐々に制限されることになる