の市場トレンド 食肉加工市場
各地域での生産が需要の伸びを後押ししそうだ。
- 牛肉生産量は2017年から2022年にかけて3.3%増加した。USDAの2022年4月の予測によれば、2023年の世界の牛肉生産量はほぼ1%増の5,960万トンが見込まれている。アルゼンチンの干ばつにより牛群の離散が増え、生産量は前年比6%増加した。同様に、肥育ストールの大型化と牛の屠殺頭数の増加により、2022年4月から米国の生産量は1%増加すると予想される。ニュージーランドの生産量は、雄の乳用子牛が肉用牛として販売されるようになったため、3%増加する。
- 投入コストが高いため、EU の生産量はと殺頭数の減少と体重の減少により 1%減少する。ニュージーランド、オーストラリア、アルゼンチン、ブラジルの見通しが上方修正され、メキシコ、英国、EUの見通しの減少を相殺した。中国の旺盛な需要がブラジルとアルゼンチンの供給を引きつけると予想される。オーストラリアは、日本と韓国の需要増加の恩恵を受けそうである。さらに、米国の加工牛肉に対する旺盛な需要が、オーストラリアとニュージーランドからの供給を押し上げるだろう。
- 牛肉生産は北米が主流で、2022年には32.13%を生産した。北米の牛肉生産は、干ばつによる生産コストの上昇と飼料費の増加によって大きな影響を受けた。干ばつは北米西部の産地にも悪影響を与えた。2022年1月1日、カナダの肉牛在庫は5年連続で1%減少し、350万頭に達した。米国の肉牛在庫は前年比2%減の9,190万頭であった。南米も世界の牛肉生産に貢献しており、2022年には世界の牛肉生産のほぼ20.12%を生産する。世界的な牛肉需要の増加により、生産と生産性の向上が進んだ。
地域間の生産不安が価格に影響を与えている
- 牛肉の世界平均価格は2017年から2022年にかけて9.15%上昇し、米国が6.93米ドル/kgで最高値を占めた。牛肉は世界的に旺盛な需要と高値に直面しており、国際市場の力学が目に見えて変化している。個々の国や地域における干ばつや消費者需要の増加といった地域的な混乱は、今や世界貿易により大きな影響を及ぼしている。
- 牛肉生産上位国の価格に影響を与える主な要因には、米国における需要主導型の牛肉価格高騰がある。米国の牛肉セクターは明らかに需要主導型の市場であり、2022年には2017年比で40.75%の価格上昇を目撃した。ブラジルでは、季節的な雨の遅れにより牛の生産頭数が減少し、加工業者は特に中国市場の需要を考慮して牛の価格を引き上げ、供給を維持せざるを得なくなった。市場はEU全域で家畜供給の減少に直面し、その結果、家畜部門の収益性が悪化した。2023年6月の米国における様々な形態の牛肉の小売価格は、挽肉が5.028米ドル/ポンド、未調理の牛ロースが7.020米ドル/ポンド、ビーフステーキが10.359米ドル/ポンドであった。
- 中国では、国内牛肉生産量の伸びが鈍化し、アフリカ豚熱の発生時に豚肉から牛肉への代替を促した国内消費量の伸びに追いつけなかったため、2021年と2022年に牛肉の輸入が増加し、これが国内価格の上昇につながった。豪州の供給は世界市場にも影響を与えた。連続する干ばつと大規模な牛群整理により、豪州の牛の頭数は過去30年間で最低となった。2021年2月のオーストラリアの若齢牛の価格は、前年比で20%近く上昇した。
本レポートで取り上げているその他の主要業界動向
- 市場の価格は世界の貿易価格に影響を与える
- 安価なタンパク質としての鶏肉需要の高まりが、世界的な価格高騰に拍車をかけている。
- 豚の集団における様々な感染症の流行は、生産に影響を与える
- 投入コストの上昇とインフレが物価の高騰を招いている
- オーストラリア市場は生産量が飛躍的に伸びている
- ブラジルは国内外からの需要により、生産量が大きく伸びると予想される。