マーケットトレンド の ラボ自動化ソフトウェア 産業
臨床検査情報管理システムが最大の市場シェアを占める見込み
- 検査室情報管理システム業界は、急増する高齢者人口による診断検査需要の増加もあり、検査室が検体量の増加に取り組む中で、過去5年間に力強い成長を示した。
- 業界各社は特に、データ・セキュリティーや規制遵守など、運用上の問題を支援するソフトウェアの開発に注力している。この市場は、規制遵守へのプレッシャーの高まり、医療システムの統合ニーズの高まり、レガシーシステムから市販のLIMSソリューションへの移行、LIMS製品の技術的進歩などの特定の要因によって牽引されている。
- さらに、ゲノムやDNAのような検査への資金提供は、検査室の情報やデータの増加をもたらしている。そのため、ゲノム研究の高まりが市場の成長を後押ししている。また、高精度や手作業によるデータ転記ミスの排除など、関連する利点も市場を後押しすると予想される。
- NIH(米国国立衛生研究所)によると、NIHによるヒトゲノム研究費は2021年に約44億3000万ドルで、2022年には45億5000万ドルになると推定されている。
- 北アイルランドの保健大臣は最近、医療の主要分野における臨床診断サービスの提供を大幅に改善する4000万英ポンドの新しい臨床検査情報管理システム(LIMS)の立ち上げを発表した。
アジア太平洋地域が最も急成長する市場になる見込み
- アジア太平洋地域はラボオートメーションソフトウェアの急成長地域である。この成長は、この地域における医薬品研究開発への投資の増加に起因している。
- 例えば、2022年5月、米国の製薬会社ファイザーは、インドのインド工科大学マドラス・リサーチ・パークにアジア初のグローバル医薬品開発センターを設立した。同社はこのセンターに2000万米ドルを投資し、革新的な製剤、低分子化合物、医薬品有効成分(API)を開発している。
- また、2022年2月には、オーストラリアを拠点とするバイオ医薬品企業ベロニ・グループが、中国の珠海国家ハイテク産業開発区に新たな研究開発センターを建設する契約を締結した。こうした拡大構想や投資は、同地域の市場成長を後押しすると期待されている。
- さらに、この地域は他の大陸とは異なり、異質な人口集団が多く存在するため、医薬品研究を実施するのに理想的である。この地域は、熟練した労働力を利用でき、医薬品開発に必要なコストが低いため、医薬品研究のアウトソーシング先として最も好ましいと考えられている。
- さらに、他地域の企業は厳しい規制や長いスケジュールに直面し、プロジェクトコストをさらに引き上げている。そのため、北米の企業はCRO(医薬品開発業務受託機関)との提携にシフトしており、より多くの研究プロジェクトを獲得するために、この地域が最も恩恵を受けている。時間と予算は開発にとって最も重要な要素であるため、製薬会社は創薬に関連するエラー、コスト、時間を削減できる自動化されたラボ・ソフトウェアを選択している。
- 例えば、2021年10月、韓国を拠点とする臨床診断会社GC Labsは、韓国初の微生物学トータル・ラボラトリー・オートメーション・システムであるWASPLabを導入した。このソリューションは、これまで手作業で行われていたサンプル受領から接種、培養、判読までのステップを自動的に処理する。特に、培養が陽性か陰性かを自動的に解釈する。検査スタッフは、最終結果を臨床専門家に報告する前に、モニター上で画像をダブルチェックすることができる。