マーケットトレンド の 不正行為の検出と防止 産業
BFSI部門が大きな市場シェアを占めると予想される
- 業界における詐欺行為は、数十年の間に進化してきた。以前は小切手詐欺や電信詐欺に限られていたが、サイバースフィアの成長とそれに伴うサイバー犯罪者の領域の拡大に伴い、より仮想化された形態をとるようになった。
- 技術の浸透が進み、インターネット・バンキングやモバイル・バンキングなどのデジタル・チャネルが、銀行サービスを利用する顧客の選択肢として目立つようになっているため、銀行にとって詐欺防止ソリューションの活用が極めて重要になっている。
- 不正行為の防止と検知は金融機関にとって最大の関心事であり、IT支出の顕著な原動力のひとつになると思われる。オンライン取引詐欺、保険金請求詐欺、カード関連詐欺は、保険、銀行、金融サービス分野でこれらのソリューションの利用を増加させている。
- 不正行為の潜在的リスクはオンライン決済が最も高く、オンライン決済を提供する企業が増えていることから、デジタルな顧客関係が利用可能になるのに連動して拡大すると予想される。
- 全業界の中でBFSIは、不正行為の種類という点で、内部関係者や従業員が最も関与しやすい。従業員が不正行為で告発された例は複数ある(例えば、インドにおけるPNBの不正行為)。このような不正行為を防止するために、業界は強固な不正検知・防止ソリューションを必要としている。
予測期間中、アジア太平洋地域が最速の成長を遂げる見込み
- アジア太平洋地域の新興経済圏がデジタル化を採用するにつれ、顧客データやデータ・チャネルの侵害リスクが高まっている。そのため、不正検知・防止ソリューションの利用が大幅に増加している。
- 銀行のデビットカードやクレジットカードが最も大きな不正行為を占めているが、これは主に電子商取引の急増によるものである。しかし、組織は将来同様の脅威に直面する可能性があることを認識している。そのため、利用可能な最新技術にシステムをアップグレードしている。
- 信用情報会社のエクスペリアンによると、インドはアジア太平洋地域で2番目にデジタル取引における詐欺リスクが高い。同社はまた、同国の消費者の約48%が直接的または間接的に小売詐欺を経験していると述べている。そのため、アマゾン、フリップカート、ライムロードなどの小売企業は、最新の不正検知・防止システムを導入する見込みだ。
- シンガポールはデータ漏洩に対して厳しい規制を課した。同国のデータ保護規定に基づき、データ侵害が発生した場合、約100万米ドルに相当するアジア太平洋地域で最高レベルの罰則が課される。この規制により、同国で事業を展開する企業は十分な不正検知・防止対策を講じることになり、同地域での市場成長につながる可能性がある。
- ベトナムでは、デジタル化とモノのインターネット(IoT)の普及が進んでいるため、小売業や通信業で多くの詐欺事件が発生している。このような増加により、企業は不正検知・防止システムを取り入れるようになると予想される。このような要因が、予測期間中のアジア太平洋市場を押し上げると予想される。