マーケットトレンド の 脳のモニタリング 産業
脳波計は予測期間中に健全な成長が見込まれる
- 脳波計は、頭皮に装着した電極を通して脳の電気的活動を捉える装置である。これらの電極は脳波パターンを記録し、それをコンピューターやクラウドサーバーに転送して分析する。集中治療室(ICU)では、重症患者の脳活動をリアルタイムでモニタリングできるため、EEG装置の使用はますます重要になってきている。ICUでEEGを取得する主な理由は、急性脳損傷の有無にかかわらず患者の発作を検出するためである。
- 脳障害の増加や、脳の問題を検出するためにさまざまな地域でEEG装置の採用が拡大していることなどの要因が、市場の成長を促進すると予想される。例えば、米国国立衛生研究所が2022年7月に米国内の病院を対象に実施した調査によると、EEG装置の使用により医師による電図発作診断が大幅に改善された。脳波診断の感度は77.8%から100%に、特異度は63.9%から89%に向上した。このことは、発作の正確な診断におけるEEGの重要性と集中治療室での採用率の高さを裏付けており、同分野の成長を後押ししている。
- さらに、EEG装置の進歩がこれらの装置の需要増加に大きく寄与している。例えば、2022年3月、イスラエルに本拠を置くbrain.space社は、従来のものより優れた測定値を提供し、専門家の助けがなくてもセットアップ可能なワイヤレスEEG装置を開発した。この装置の費用対効果と使いやすさは、今後大きな注目を集めると予想される。
- さらに2021年5月には、Inspira Healthの一部であるInspira Medical Centers Mullica HillとVinelandが、Ceribell Rapid Response EEGモニタリング装置を発売した。この画期的な技術は、重症患者の非けいれん性発作活動の特定と診断に役立ち、患者ができるだけ早く最善の治療を受けられるようにする。
- したがって、EEG装置の採用が増加し、製品発売が増加していることから、EEG装置セグメントは予測期間中に大きな成長を目撃することが期待される。
予測期間中、北米が大きな市場シェアを占めると予測
- 北米は、いくつかの要因によって脳モニタリング装置市場で大きなシェアを獲得する見通しである。同地域は、確立された医療インフラ、医療費の増加、高齢化人口の増加などの恩恵を受けており、これらは市場成長の主要な促進要因となっている。加えて、大手企業による継続的な製品投入や、同地域における脳疾患の高い発生率が市場成長にプラスの影響を与えると予想されている。
- 例えば、2021年3月に発表された米国脳障害協会の報告書によると、年間約350万人の米国人が外傷性脳障害に苦しんでいる。この報告書では、報告された全損傷のうち、約280万人が入院を余儀なくされ、60人に1人が外傷性脳損傷に関連した障害を負っていることも明らかにされている。脳モニタリング装置は、外傷性脳損傷の継続的なモニタリングと治療に不可欠であるため、これらの損傷の発生率の増加は、そのような装置の需要を押し上げると予想される。
- さらに、有利な償還政策や、モバイルEEG機器の開発、リアルタイムモニタリング、アラートなどの技術進歩の増加も、同地域の市場成長に寄与している。2022年5月、Philips社は、放射線科医が解剖学的に異なる6つの臨床関連核を取得できる新しいMR 7700 3.0T MRシステムについてFDAから510(k)認可を取得した。
- さらに2022年1月、クリーブランド・クリニックは、症状が出る前の神経疾患の診断と予防を目的とした脳研究を開始した。この新しい研究は、神経疾患のバイオマーカーと神経疾患を予防・治療するための標的を特定するために、神経学的に健康な20万人までのデータを20年間にわたって収集したものである。
- まとめると、脳疾患の増加と新製品の継続的な発売が相まって、北米の脳モニタリング機器市場は予測期間中に大きく成長すると予想される。