マーケットトレンド の 全身麻酔薬 産業
全身麻酔薬セグメントではプロポフォールセグメントが急成長の見込み
プロポフォールは、手術で最も一般的に使用される全身麻酔薬の一つであり、ICUにおける重症患者(COVID-19を含む)の鎮静薬として使用される。手技的鎮静の開始および維持、全身麻酔などに使用される。2020年6月、米国食品医薬品局は、フレゼニウス・プロポーベン2%乳剤を、機械的人工呼吸を必要とするCOVID-19患者(16歳以上)の鎮静維持に使用することを承認した
プロポフォールは麻酔の導入維持や難治性てんかん状態の管理にも使用される。この薬は長い間、麻酔を必要とする様々な種類の外科手術に使用されてきた。プロポフォール注射薬を製造している企業は、Neon Laboratories Limited、Bharat Serums and Vaccines Limited、Fresenius Kabiである
さらに、2021年5月にBritish Journal of anesthesiology誌に発表された「Surgical activity in England and Wales during the COVID-19 pandemic a nationwide observational cohort study(COVID-19パンデミック時のイングランドとウェールズにおける外科活動:全国的観察コホート研究)というタイトルの研究によると、2020年にイングランドとウェールズで実施された外科手術の総数は3,102,674件であった。したがって、緊急手術の発生件数の増加、薬剤の広範な使用、短時間作用性、世界的な外科手術件数の増加が、市場の成長を促進する主な要因となっている
前述の要因の結果、プロポフォール分野は予測期間中に健全な成長を遂げると予想される
北米が市場を支配し、予測期間中も同様の傾向が続く見込み
北米は現在、麻酔薬市場を支配しており、今後数年間はその牙城を守り続けると予想されている。米国は世界最大の地域市場である。COVID-19の出現により、米国は重要な麻酔薬、特にデクスメデトミジン、ミダゾラム、プロポフォール、神経筋遮断薬の深刻な不足に直面した。その結果、多くの企業が麻酔薬の生産を強化している。例えば、2020年5月、ヒグマ製薬は米国で新製品「プロポフォール注射用乳剤を発表した
さらに、この市場を牽引しているのは、手術件数の増加、慢性疾患が増加する高齢化人口の増加、麻酔技術の進歩である。米国形成外科学会(ASPS)によると、2020年には、10~29歳で約76万8000件の美容整形手術が行われ、40~54歳では610万件の美容整形手術が行われた。これらの統計は、この地域で外科手術が絶えず増加しており、最終的に麻酔薬の需要を牽引していることを示している。一般手術における麻酔薬の使用は、市場の成長に大きく貢献すると予想される
さらに、同国では新しい麻酔薬が開発されており、これが市場の成長を促進すると期待されている。例えば、2020年6月、MedovaとNew York School of Regional Anesthesia(NYSORA)は、米国でSAFIRA(SAFer Injection for Regional Anesthesia)を導入するためのパートナーシップを締結した。また、2020年1月、米国でランネット社製コカイン塩酸塩(HCI;NUMBRINO)点鼻液4%(40mg/mL)の麻酔薬としての新薬承認申請が米国食品医薬品局(FDA)より承認された。さらに、2021年12月、ヒクマ・ファーマシューティカルズPLC(ヒクマ社)は、米国の関連会社ヒクマ・ファーマシューティカルズUSA社を通じてブピバカイン塩酸塩注射液USPを発売した。同社は0.25%、0.5%、0.75%を10ミリリットルと30ミリリットルの用量で発売した。同様に2020年4月、Blue-Zone Technologies Ltd.はカナダ保健省から全身麻酔に使用される麻酔薬デスフルランUSPの承認を取得した
こうした動きは、麻酔薬を使用する手術件数の増加と相まって、同地域の市場成長を後押しすると予想される