の市場トレンド ドイツのデータセンター市場
5G対応スマートフォンとMコマースの急増がデータセンター市場を押し上げる
- ドイツでのスマートフォン利用は増加し、2029年までに年平均成長率1.4%を記録すると予想されている。スマートフォンの利用は若年層で伸びており、16歳から29歳までの約81%がスマートフォンを使ってオンラインショッピングをしている。さらに、Mコマースがいかに市場成長を牽引しているかを浮き彫りにしている。また、オンラインショッピングにおけるスマートフォンの利用率は、2020年の54%から2021年には約60%に増加しており、市場のデジタル包摂性を示唆している。
- GFUのデータによると、スマートフォンの平均価格は2018年の約489ユーロから2021年には555ユーロに上昇した。また、同国が生み出すスマートフォンの収益は、2019年の10,860百万ユーロから2021年には11,930ユーロに増加した。これは、同国の購買層におけるスマートフォンの購買力と要件を浮き彫りにしており、スマートフォン台数の増加に寄与している。ドイツでは、5G対応スマートフォンが増えるにつれて、ユーザーは引き続き同デバイスを購入し、拡大する帯域幅とネットワークインフラを活用すると予想される。大手ネットワーク・サービス・プロバイダーは、2025年までに5Gサービスのカバレッジを国内のほぼ全人口に拡大することを目指しており、予測期間中のスマートフォン市場を牽引している。
- 2021年のスマートフォン普及率は80%であったが、2025年には約84%に増加し、2025年の加入者普及率は89%と推定される。これによりデータ生成ポイントが増え、ドイツではスマートフォン中心のソフトウェアやオンライン・ストレージ・オプションに必要な処理プラットフォームを提供するデータセンターの需要が生まれる。
FTTH技術導入の急増がデータセンター市場を押し上げる
- ドイツのネットワークとインターネット・インフラのほとんどは、家庭や企業にインターネットを提供する銅線ネットワークで構成されている。経済協力開発機構(OECD)が提供したデータによると、2019年のブロードバンド接続のうち、純粋な光ファイバーシステムが占める割合はわずか2%で、2022年にはわずか5.4%に増加する。各社はベクタリング技術を使って銅線ネットワークを強化したが、ネットワークの利用可能性が向上した地域でも250Mbpsを超える速度はまだ出ていない。
- EUの一部である「ヨーロッパ2020は、2020年までに50%の世帯に100Mbpsを提供するという共通の目標を掲げ、ネットワーク整備を推し進めた。しかし、ベクタリング技術や大規模なDSL導入にもかかわらず、2017年までにドイツの世帯の約77%が約50Mbpsの速度を得たに過ぎず、目標速度にははるかに及ばなかった。しかし、光ファイバー接続の拡大については、2019年にドイツ政府が120億ユーロを投資し、2025年までに約1,000Mbpsの速度を大規模に達成する計画を発表した。
- COVID-19の大流行で浮き彫りになったネットワーク接続の高速化への要求が、ドイツでのFTTH導入を急がせた。2022年には2021年比で約66%増加し、2025年までにかなりの普及を目標としている。このため、予測期間中、ドイツの発展した条件を活用するため、より多くのデータセンター施設や投資機会も集まるだろう。
本レポートで取り上げているその他の主要業界動向
- 家庭におけるインターネットの普及と、在宅でのビデオ会議、ビデオストリーミング、ゲームの増加が市場の需要を押し上げる。
- ドイツ・デジタルインフラ省による光ファイバー通信への補助金が市場需要を押し上げる
- 農村部におけるモバイルインターネットの拡大と、5G技術の拡張を円滑化するためのOpen RANのような技術の導入が市場を押し上げる。