マーケットトレンド の ジオポリマー 産業
市場を支配する建築セグメント
- 建築物建設におけるジオポリマーの利用は、極めて重要な役割を担っている。世界中で急速に進む建設活動と人口の増加により、大量の温室効果ガスが大気中に放出され、環境に大きな影響を与えている。温室効果ガスがセメント製造時やその他の方法で排出され、環境に与える影響が増大しているため、建築資材の建設全般において、ジオポリマーを開発・使用する余地が生まれている。
- 建築・建設セクターはここ数年、急速な成長を遂げている。世界銀行によると、世界の建設産業は2020年に22兆3,600億米ドルに達し、2021年には27兆1,800億米ドルにまで成長するという。
- 建設業界におけるグリーン技術の開発は、数年前にさかのぼる。近年、世界中で環境に対する意識が高まり、建築材料の技術的特性に加えて、環境への影響も積極的に評価されるようになった。
- ジオポリマーコンクリート、ジオポリマーセメント、バインダー、ジオポリマーレンガ、パネルなど、数種類のジオポリマー材料は、温室効果ガスの削減や省エネルギーなど、その多用途な特性により、建築物の建設時に使用されている。
- 建築物におけるジオポリマーの最近の応用例としては、2021年1月付けでロンドンに建設された史上初の杭が挙げられる。この杭は、ジオポリマーの大手メーカーのひとつであるワグナーのアースフレンドリーコンクリート(EFC)を使用したもので、ケルトブレイ・グループとキャピタル・コンクリートという英国の大手企業2社と協力している。
- さらにオーストラリアでは、ハッセルがブリー・タナーおよびワグナーと共同で設計したクイーンズランド大学の地球変動研究所(GCI)が、構造目的でジオポリマー・コンクリートを使用した世界初の建物である。
- さらに、建築物建設におけるジオポリマーの使用量の増加に伴い、ジオポリマー・コンクリートを使用することの利点について、一般市民や政府の間で認識が高まってきている。これは、トゥーンバ・ウェルキャンプ空港に関連しており、この空港ではジオポリマー・コンクリートのほとんどが使用された。
- 全体として、建築物建設におけるジオポリマーの使用は増加している。ジオポリマーには多くの利点があるからだ。

アジア太平洋市場を支配する中国
- アジア太平洋地域では、中国が建設活動の拡大と建設資材の需要増加により、世界市場シェアを独占した。
- パンデミック期の損失を回復するために経済成長を加速させるため、中国財政・国家発展省は2022年第3四半期に、インフラ支出を促進することを目的とした国家インフラ基金の設立に5,000億人民元(718億6,000万米ドル)を投資することを計画している。
- さらに、国内第4位の国際ハブ空港である成都天府国際空港への接続性を向上させるため、30の空港の拡張に取り組んでいる。
- CAACによると、中国の第13次5カ年計画には、2020年に貧困削減のために低所得地域での航空輸送サービスを拡大することが盛り込まれている。同国は2025年までの今後5年間に、超高圧エネルギー・プロジェクト、ビッグデータ・センター、高速鉄道、都市間線路・駅、5G基地局、電気自動車充電ステーション、その他さまざまな主要建設プロジェクトに1兆4,300億米ドルを投資する。
- 国家発展改革委員会(NDRC)によると、上海の計画には今後3年間で387億米ドルの投資が含まれている。
- さらに、同国は2025年までの今後5年間で、5G基地局を現在の25倍に当たる500万局建設することを目標としている。同国におけるこうした大規模なインフラ開発プロジェクトが、中国におけるジオポリマーの需要を押し上げている。
- 同国は2020年に開始された道路プロジェクトにも取り組んでおり、これには16.1億米ドルを投資する広南奈沙と夏侯興傑、18.6億米ドルを投資する成江と華寧、15.4億米ドルを投資する雲南省の衢北と燕山といった都市間の高速道路建設が含まれ、2023年の完成が見込まれている。
- さらに、貴州省のNayongとQinglong、LiuzziiとAnlongを結ぶ86.8億米ドルを投資する2つの新しい高速道路プロジェクトの建設は、中国のジオポリマー市場にプラスの影響を与えると予想される。
- これにより、国内の住宅建設が増加し、ひいては国内のジオポリマー市場にプラスの効果をもたらすだろう。
