マーケットトレンド の GCC セラミック タイルと衛生陶器 産業
床タイル部門が市場をリード
床タイル用途は、石や大理石をベースとした床タイルに比べ、汚れがつきにくく、メンテナンスが不要で、価格も安いことから、シェアが最も高い割合で市場をリードしている。同分野の成長は、滑らかな表面、クリアな質感、優れた外観、高い耐久性を持つタイルを作るために、マイクロクリスタル技術の利用が拡大していることも、今後の成長を後押しするとみられる
低コストでメンテナンス不要のセラミック・タイルは、従来の大理石や石の床に急速に取って代わりつつある。セラミック床タイルは、デジタル印刷法の改良などの技術改良の結果、人気が高まっている。新しく開発されたプリンターは、平面、曲面、テクスチャー面への高解像度やナノメートル級の印刷、多層印刷など、卓越した品質を持っている
今後数年間、セラミック壁タイルの需要は伸びると予想される。セラミック・タイルは安価で長持ちするため、石材の代わりに多くの家庭や企業で使用できるからだ。3Dプリンティングで作られた個性的なタイルを求める人が増えているおかげで、セラミック・タイルの市場も拡大すると予想される
セラミック・タイルは、屋外や屋内の床材、壁材、被覆材、カウンタートップとしても使用できる。技術の進歩により、石、大理石、木などの天然素材のようなタイルを作ることが容易になった。ブリック・タイプのタイルは、外装材として最も人気のある素材のひとつとなっている
拡大する建設セクターが市場を牽引
同地域の建設業界は、主に政府の支援による投資によって急速に成長している。石油を基盤とする市場は、石油依存度を下げるために経済の多様化を急速に進めている。世界的な原油価格の変動は、市場を極めて不安定なものにしている
しかし、より多くの資金が建設に投入されることで、銀行、ホスピタリティ、観光といった他のビジネスも好調だ。3兆米ドルを超えるプロジェクトが建設中、あるいは設計・計画段階にあると推定されている。例えば、サウジアラビアの巨大プロジェクト市場だけでも、7,500億米ドル以上の契約が進行中だ。カタールでも大規模な投資が計画されており、アブダビでも大規模な石油・ガス投資計画がある。合計で1兆4,000億米ドル相当のプロジェクトが進行中で、その多くが2023年に発注される予定だ
短期・中期的には、GCCの建設部門は経済全体を上回る成長が見込まれている。2023年と2024年には、年平均成長率は3.5~4%になると予想される。同地域の政情不安が投資家を不安に陥れているとはいえ、建設業界は年率5%以上(前年比)の成長を遂げている。このように、建設業界はタイル市場の最大の原動力となっている