マーケットトレンド の ガスタービン 産業
発電用タービン需要の増加
- 数年間一定の炭素排出量が続いた後、2018年には排出量が再び増加し、世界中で石炭を燃料とする発電所の使用に対する懸念が高まった。世界各国の政府は現在、石炭を燃料とする発電所の割合を減らす努力をしており、予測期間中に発電用ガスタービンの需要増加の機会をもたらす可能性がある。
- 中国では、ガス火力発電の最終投資決定が70%増加し、初めてガス火力発電容量が石炭火力発電容量を上回った。
- さらに、ガス火力発電は原子力発電所よりも導入コストが安く、その一方で、自然エネルギーと比べて信頼性が高い。このような利点に加え、二酸化炭素排出量の削減が急務となっていることが、世界中でガスタービンの需要を高めている。
- EUの政策立案者は、ガスタービンを、他の技術が成熟するまでの2030年目標を達成するためのつなぎ技術に過ぎないと考えている。予測期間中、ガスタービンの需要を牽引する可能性が高い。しかし、メタンやその他の有害ガスの排出は、市場の成長にとって脅威となる可能性がある。
アジア太平洋地域が市場を支配する
- アジア太平洋地域はガスタービン市場を支配し、ガスベースの発電量は2018年に2017年のそれと比較して3.04%増加し、同期間のガス消費量はアジア太平洋地域で7.41%増加した。アジア太平洋市場は、エネルギー需要の増加、環境への影響の低さ、柔軟性と効率の向上など、いくつかの要因によって牽引されている。
- 技術の進歩とシェールガス生産コストの低下により、天然ガス生産量は2011年から2018年の間に世界全体で18.75%増加した。急速な工業化と都市化により、同地域の電力需要は莫大かつ増加の一途をたどっており、多数の発電プロジェクトの開発が必要とされている。このため、中国ではガスタービンの需要が高まっている。
- インドの電力部門は石炭ベースの発電が主流で、2018年12月の設備容量全体の54.7%を占めている。同国は、経済を脱炭素化し、パリ協定の目標を達成するために、再生可能エネルギーとガスベースの発電の可能性を特定した。ガスベースの発電のシェアが高まるにつれて、ガスタービンの需要は増加すると予想される。
- 日本のように原子力発電に反対する社会的コンセンサスが高まっている国は、特に世界最大の電力消費国のひとつであることから、この点で有望な市場である。