マーケットトレンド の FPSO 産業
請負業者所有のセグメントが市場を支配する見込み
- FPSOの調達には、新造、既存船の改造、既存ユニットの再展開という3つの主な方法がある。これらの選択肢のうち、再展開は、特定の分野向けにFPSOを高度にカスタマイズするという性質上、いくつかの課題がある。その結果、オペレーターは主に新造と改造のアプローチを好んでおり、過去20年間、これらのサービスを専門知識を持つ第三者請負業者に頼ることが多かった。
- コントラクター所有のFPSOは、オペレーター所有のFPSOや固定プラットフォームよりもコスト面で有利である。FPSOの設計、建設、操業を専門とする請負業者は、規模の経済を実現し、船隊利用率を最適化することで、オペレーターのコストを削減することができる。このため、請負業者が所有するFPSOは、費用対効果の高いソリューションを求めるオペレーターにとって魅力的な選択肢となる。
- コントラクター所有のFPSOは通常リース可能で、オペレーターに油田開発の柔軟性を提供する。リースにより、オペレーターは最小限の先行資本投資でFPSOにアクセスし、配備することができるため、小規模オペレーターや生産プロファイルが不確かなプロジェクトに有利となる。
- オフショア活動の活発化に伴い、探鉱・生産活動にかかるコストは増加しており、FPSO関連業務は請負業者に委託されるようになっている。これによりオペレーターは、FPSOのオペレーションを専門業者に任せることで、最も価値を生み出せる分野に資源と注意を振り向けることができる。
- 例えば、Baker Hughes Rig Countによると、2023年末のオフショア・リグ数は約246基で、前年比約6.4%増となり、オフショアでの探鉱・生産活動が増加し、FPSOの需要が高まっている。
- 2023年5月、日本のFPSOサプライヤーであるMODECは、ブラジル沖カンポス海盆のBM-C-33ブロック向けにFPSO船を供給する契約をEquinorから獲得した。MODECは、2027年の完成を目指すFPSOの納入に加え、FPSOの原油生産開始初年度の操業・保守サービスをEquinorに提供する。その後、EquinorはFPSOの操業責任を引き継ぐ予定である。
- 世界には、まだ発見されていない、あるいは探査段階にある未開発の海洋埋蔵物がいくつかある。石油・ガス会社は今後、こうした未開発の石油・ガス埋蔵量の発見に注力するため、FPSOの需要は増加すると予想される。
- FPSOに対する需要の増加と他のタイプのFPSOに対する優位性から、予測期間中はコントラクター所有のFPSOが市場を支配すると予想される。