マーケットトレンド の フレキシブルOLED 産業
携帯電話とテレビが大きな成長を遂げる
- 世界的にスマートフォンの普及が進む中、高精細な超高精細ディスプレイの需要が急速に高まっている。アップルやサムスンなど多くの企業がフラッグシップモデルにAMOLEDディスプレイを採用しており、他の企業もこの傾向に追随している。
- それでもなお、フレキシブルOLEDは、特にモバイル機器において、ガラスベースのディスプレイよりも軽く、薄く、耐久性が高いなど、いくつかの利点を提供する。これらは、より優れた性能、耐久性、軽量化をもたらすため、携帯電話メーカーにとって重要な資産であることが証明された。
- 例えば、2022年5月、LG Display Co.Ltd.は、カリフォルニア州サンノゼで開催された2022年情報ディスプレイ学会(SID)に次世代OLEDソリューションを出展すると発表した。その中にはOLED.EXからBendable and Foldable OLEDパネルまで含まれていた。この技術革新により、OLED市場における同社のリーダーシップが確固たるものになると期待されている。
- さらに2022年1月、同社は2024年までにアップルiPad向けにOLEDパネルを供給する準備を進めていると発表した。同社は2024年に生産を増強する計画であり、その前に最初のOLED iPadが製造されると予想される。
- さらに、各社は競争に打ち勝つため、フレキシブル・ディスプレイを搭載したスマートウォッチをリリースしている。2020年7月には、フレキシブルAMOLEDスクリーンとeSIM対応などを特徴とするNubia watchが発表された。ディスプレイは4.01インチ(960x192ピクセル)のフレキシブルで曲げられるOLEDディスプレイで、ピクセル密度は244ppiである。
アジア太平洋地域が最も速い成長率を示す
- インドや中国といった主要国の経済が成長しているため、消費者の可処分所得が増加している。そのため、曲面テレビや高級スマートフォンなど、ハイエンドの電子製品を採用する傾向にある。したがって、この地域のフレキシブルOLED市場を牽引している。
- 例えば、2021年6月、サムスンは、皮膚に貼り付けてその表面に適合させることができる将来のウェアラブル機器にとって貴重な存在となり得るフレキシブルOLEDディスプレイの開発を発表した。フレキシブル・ディスプレイを作るために、サムスンは、それ自体が隆起し、柔軟なエラストマー表面に配置された個々のOLEDピクセルを作成した。OLED間の接続は、ディスプレイとドライバ・システムを接続するトレースと同様に、フレキシブルな材料で作られている。
- さらに、中国企業はOLEDを生産する大規模な生産拠点の設立を急いでいる。BOEは中国南西部の重慶市に小型OLEDの生産工場を建設中だ。このOLED生産ラインは、中国の単一工場としては最大規模で、年間1億1500万枚のパネルを生産する。
- また、技術大手のアップル社は折りたたみ式携帯電話の開発に投資しており、プレミアムiPhoneの組立工場をインドで立ち上げる予定だ。この工場の開始により、同社の携帯電話は国内よりも安い価格で入手できるようになる。したがって、この需要はこの地域のフレキシブルOLED市場の成長を促進するだろう。