マーケットトレンド の フレキシブルフォーム 産業
家具産業における軟質フォームの需要拡大
- フレキシブルフォームは、その信頼性から様々な産業用途に広く使用されている。優れた特性の他に、原料コストの削減もこの素材を使用する大きな利点である。
- フレキシブルフォームは、構造材料としての汎用性の高さから、家具用途にも使用されている。軽量、抗菌性、様々な形状に成形できるといったフレキシブルフォームの特性により、子供用スツール、オフィスの壁面パーテーション、本棚など、幅広い家具用途に使用されている。
- 国際的な家庭用家具小売店として知られるイケアは、年次報告書で、2021年から2022年にかけて年間売上高がほぼ6%上昇し、それぞれ419億ユーロ(450億米ドル)、446億ユーロ(612億米ドル)になったと報告している。
- 経済分析局はまた、2022年第3四半期の米国における家具・関連製品産業の寄与額は季節調整済みで約340億米ドル、つまり前年同時期の付加価値を約6%上回ったと推定している。2022年第1~3四半期の家具・関連製品産業の付加価値額は約1,017億米ドルであった。
- さらに、国家統計局(英国)によると、2021年に英国の世帯が購入した家具・調度品は約245億ポンド(~337億米ドル)相当で、前年の241億3,000万ポンド(~330億5,000万米ドル)から増加した。
- 上記の要因から、家具産業における代替品としての軟質フォーム材の用途は、予測期間中に支配的になると予想される。
アジア太平洋地域が市場を支配する
- 今後数年間、フレキシブル・フォーム市場はアジア太平洋地域が牽引すると予想されている。市場成長は、家具、包装、消費財、自動車など、この地域の多くのエンドユーザー産業からの製品需要の高まりに影響されると見られている。
- 軟質フォームは、軽量で耐久性があり、様々な形状に成形できるポリウレタンフォームの一般的なタイプである。自動車の車内を快適にしたり、住宅の断熱材として使用されることが多い。
- 中国自動車工業会によると、2022年の中国の自動車生産台数は前年比3.4%増の2,700万台で、2021年の2,608万台から増加した。
- さらに、日本の自動車産業の成長に伴い、様々な自動車メーカーが日本での生産能力を拡大した。日本自動車販売協会連合会(JADA)によると、2022年の国内販売台数はトヨタが約125万台でトップ、次いでスズキが60万台強となる。その結果、クッション材としての軟質フォームのニーズが高まり、市場が拡大することになる。
- 中国は人口が増加しているため、住宅地やオフィスなどで家具が必要とされ、世界の家具事業の中で大きな割合を占めると予測されている。中国国家統計局によると、2022年12月の中国における家具の小売売上高はおよそ174億人民元(25億米ドル)だった。しかし、これは前年の同時期と比較して5.8%の減収となった。とはいえ、2022年11月の売上高と比較すると、3%の増加が認められた。
- さらに、総務省統計局および経済産業省の調査によると、2021年の家具・インテリア卸売業の売上高は約4兆5,000億円(410億6,000万米ドル)に達し、10年ぶりの高水準となった。
- このため、アジア太平洋地域の軟質フォーム材市場は調査期間中に大きく成長すると予想される。多くの産業が成長しているからである。