マーケットトレンド の 電界効果型汎用トランジスタ 産業
自動車産業における高エネルギー・省電力デバイスの需要の高まり
- 自動車業界では近年、軽量化や低燃費化のために電子部品や電子システムの採用が進み、ECU(電子制御ユニット)の採用が進んでいる。従来の油圧制御によるパワーステアリングからECUを用いたDCモータへの移行や、ハロゲン電球から電子安定器を用いたディスチャージバルブへの移行も、ECUのスイッチングデバイスとしてMOSFETが使用されていることから、MOSFET市場を拡大している。さらに、ハイブリッド車、電気自動車、燃料電池車のトレンドも間接的に電界効果型汎用トランジスタ市場を成長させている。
- 2022年5月、マグナチップ・セミコンダクター・コーポレーション(Magnachip Semiconductor Corporation、以下Magnachip)は、車載用ブラシレス直流(BLDC)モーターを制御する40Vの新型汎用MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)を発表した。
- 電気自動車やハイブリッド車の普及に伴い、車載用は電界効果型汎用トランジスタ産業の成長分野の一つとなっている。市場で大きなシェアを占めると予想される。自律走行技術、回生ブレーキ、各種センサーの統合などの革新が、電界効果汎用トランジスタの需要を高めている。
- さらに、先進運転支援システム(ADAS)を義務付ける政府の規則が、このセグメントの成長を支えている。自動車分野の電子部品は安全性に不可欠であり、高電圧や過酷な条件にさらされる。メーカー各社は、車載用電界効果汎用トランジスタの新シリーズを開発することで対応している。
- さらに2022年5月、メキシコではBMWが電気自動車の追加を計画した。BMWはメキシコに10億米ドルを投資しており、組立工場はBMWの次の電気自動車専用製造施設になる可能性がある。電気自動車製造の増加は、研究された市場を後押しする。
アジア太平洋地域が大きな市場シェアを占めると予想される
- アジア太平洋地域は経済が発展しているため、電界効果型汎用トランジスタにとって重要な市場の一つである。中国、日本、韓国、インドがこの成長市場の主要なステークホルダーである。同地域における家電、電気自動車、スマートデバイス、ウェアラブル端末の需要増加が、調査対象市場の成長を牽引している。
- また、Make in Indiaプログラムにより、多くのグローバル・エレクトロニクス企業がインドに製造工場を設立している。インド政府は、1兆5,300億インドルピーを投資して電子チップとディスプレイの製造工場を設立する提案を5社から受けたことを確認した。これにより、インドはトランジスタを組み込んだ電子チップの世界的な生産国になる。これにより、トランジスタ市場はAPAC地域で成長する。
- 2021年12月、ロームグループはマレーシアの製造子会社「RWEMにおいて、需要拡大に伴うアナログLSIとトランジスタの生産能力増強のため、新たな生産施設を建設すると発表した。新棟の建設により、RWEM全体の生産能力は約1.5倍となる。
- さらに2020年12月、マグナチップ・セミコンダクター・コーポレーションは、高性能と高効率を特徴とし、テレビ、LED照明、急速充電器用途に最適化された700Vおよび800Vシリーズの高耐圧汎用スーパー接合型金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(SJ MOSFET)8製品を発表した。
- さらに、2022年4月、インド中央政府は、同国における電気自動車(EV)の健全な普及が予想される中、今後3~4年間に1万4,000ルピーを割り当てた。さらに、政府は充電インフラ整備のガイドラインを積極的に改正した。これは、EVサービスステーションのインフラ整備に電子機器が必要となるため、調査対象市場の成長に好影響を与えるだろう。