マーケットトレンド の 押出ポリスチレン 産業
住宅部門からの需要の増加
- 押出法ポリスチレン(XPS)は、独立気泡構造を持つ熱可塑性ポリマーである。高い機械的性能でかなり強度が高いが、近い代替品である発泡ポリスチレン(EPS)より高価である。
- 押出法ポリスチレンは、硬質フォームの形で、住宅の床、屋根、壁、天井、バルコニーの断熱によく使われる。これは、圧縮強度が高く、湿気に強いためである。
- さらに、押出法ポリスチレンは、エネルギー消費を6~8%削減し、二酸化炭素やメタンといった温室効果ガスの排出も削減できるため、環境に配慮した建物の断熱材として最も広く使用されている。
- インドでは、PMAY-U(Pradhan Mantri Awas Yojana-Urban)の下、2021年11月まで1140.6万戸の住宅が認可されている。このうち、89.36万戸が建設に着手し、2021年11月までに52.55万戸が完成または引き渡された。
- さらに、PMAY-Gの下、2024年までに「万人に住宅をという計画は29.5兆戸に設定されており、そのうち262,34,163世帯がすでに2016-17年から2021-22年まで各州と都市部に割り当てられている。合計2,17,54,812戸が受益者に認可され、2022年2月2日現在、1,71,34,737戸が完成している。
- さらに、米国国勢調査局によると、2022年に完成した住宅は推定139万2300戸で、2021年の134万1000戸に比べ3.8%増加した。
- 押出法ポリスチレンの上記のようなことから、住宅分野からの需要は今後数年間伸びると思われる。
アジア太平洋地域が市場を支配する
- 予測期間中、アジア太平洋地域が押出ポリスチレン市場を支配すると予想される。中国やインドのような国々では、人口の増加、工業化の進展、都市化、生活水準の向上により、押出法ポリスチレンの需要が伸びている。
- インド、中国、日本のような国の政府は温室効果ガスの排出削減を重視しており、この地域ではグリーンビルの採用が増加しているため、二酸化炭素やメタンのような有害ガスの排出を削減できる押出ポリスチレンの需要が増加している。
- テクノロジー、電子商取引、銀行・金融サービス企業の需要に伴い、オフィススペースの必要性が著しく高まっており、その結果、同地域では新しいオフィスの建設が進んでいる。例えば、中国はショッピング・センターの建設が盛んな国のひとつである。中国には約4,000のショッピングセンターがあり、2025年までにさらに7,000がオープンすると推定されている。
- 中国国家統計局によると、同国の建設工事の生産額は2020年の23兆2,700億人民元(3兆4,300億米ドル)から、2021年には25兆9,200億人民元(3兆8,200億米ドル)になるという。これにより、研究市場の需要が増加する。
- さらに、韓国統計庁によると、国内外における地元建設業者の建設受注額は、前年の31兆ウォン(245.9億米ドル)から2021年には2,459億米ドルに達する。
- また、インドは商業セクターを拡大している。同国ではいくつかのプロジェクトが進行している。例えば、2022年第1四半期に9億米ドル相当のCommerzIII Commercial Office Complexの建設が開始された。このプロジェクトでは、ムンバイのゴレガオンに許容床面積2,601,28m2の43階建ての商業オフィス複合施設を建設する。プロジェクトの完成は2027年第4四半期を予定している。
- このように、アジア太平洋地域では建設産業が成長していることから、今後数年間はこの地域が市場をリードしていくと予想される。