マーケットトレンド の ヨーロッパ二輪車タイヤ 産業
この地域の二輪車販売は新タイヤの需要を高めている
混雑した都市部では四輪車よりも二輪車で通勤する方が便利であることが、この地域で二輪車やスクーターの需要が増加している要因のひとつである。欧州では汚染レベルが上昇し、大気の質が低下しているため、電動スクーターやオートバイの需要が急増している。一部の欧州諸国は、ガスで動くスクーターから電動二輪車へのシフトをさらに促進するための措置を講じている。政府が支援する補助金やクレジットがなくても、他の欧州諸国では電動二輪車の販売が大きく伸びている。2019年の1年間、販売台数の伸びは加速し、このセグメントは堅調な需要を生み出し、約6万2,000台の販売記録を達成した。この地域には、BMW、ベスパを製造するピアッジオ、モト・グッツィ、アプリリア、欧州最大の大型バイクメーカーであるKTMなど、二輪車業界の大手企業が数社進出している。BMWの販売台数は7.3%増、ピアッジオは約6%増、KTMも販売台数を伸ばした。2019年にEUで登録された二輪車は合計107万9524台であった。この中で電動モペットの登録台数は2018年の39,940台から2019年には59,776台(49.7%)と大幅に増加した。こうした要因から、タイヤ需要はプラス成長が見込まれる
フランスが最大の市場になる見込み
2019年の1年間、欧州における二輪車販売はフランスが独占し、2018年の販売台数から15.7%増加した。同地域における二輪車販売の原動力は、同国における個人の消費能力の向上である。同国では50ccスクーターの需要が高く、販売台数は2018年のものから約25%増加した。このような同国における二輪車の旺盛な需要は、OEMとアフターマーケット需要の両方において二輪車用タイヤの需要を高めている。同国の主要プレーヤーは、高い安全性を求めて道路状況に対応した革新的な製品を最終顧客向けに発売するため、研究開発に投資している。例えば、2019年10月、ミシュランは2016年に発売されたPowerタイヤシリーズを刷新し、Power Roadを追加した。Power Roadは、本当に優れたオールラウンダーであることを意図したタイヤで、トレーニングからレースまで、すなわち80%の走行条件に適している