マーケットトレンド の ヨーロッパの半導体材料 産業
半導体材料の技術進歩と製品革新
- 半導体は、新しい材料や製造方法の発見により、薄いディスクやウェハーに切断または形成されたリジッド基板から、より柔軟なプラスチック材料や紙へと移行しつつある。よりフレキシブルな基板へのトレンドは、発光ダイオードから太陽電池やトランジスタに至るまで、数多くのデバイスを生み出している。
- さらに2022年12月には、チップ製造への新たなアプローチを開発する英国の新興企業、プラグマティック・セミコンダクター社が投資家から3500万米ドルを調達した。同社はチップ製造施設(ファブ)を運営しており、壊れることなく曲がるフレキシブル・プロセッサを製造している。最も注目すべき点は、このプロセッサーにはシリコンが含まれていないことだ。2022年、プラグマティック社とアーム社は、プラスチック基板上に実装された金属酸化物トランジスタで構成されるフレキシブル・プロセッサPlasticArmのデモを行った。
- ムーアの法則は、小型化、高速化、低価格化が進むコンピューター・デバイスの進歩を促してきた。そのため、半導体産業は、かつて数ミクロン用に開発されたプロセスを、数ナノメートルの接合形成にいかに移行させるかという課題に取り組む必要がある。
- 欧州連合(EU)が資金を提供するプロジェクトFACIT(新技術の統合のための化合物半導体の高速アニール)において、科学者たちはIII-V族材料であるインジウム、ガリウム、ヒ素(InGaAs)をシリコンゲルマニウム(SiGe)技術と組み合わせ、CMOSチップを作ることに成功した。新たに開発されたプロセスは、チップの大量生産に対応しており、チップメーカーにとって現実的な選択肢となる。プロジェクト・チームは、350~400mmという同じ大型のSiウェーハを使い、InGaAs、SiGe、SiのCMOS層を統合できるプロセスを開発した。科学者たちはこの方法を、CMOS技術をナノメートルレベルでさらに縮小・微細化する方法として考えている。