マーケットトレンド の ヨーロッパパワー 産業
再生可能エネルギーは大幅な成長が見込まれる
- 欧州の再生可能エネルギー分野は、水力発電を除く風力、太陽光、バイオマス、その他の再生可能エネルギーが中心である。再生可能エネルギーによる発電は、総発電量に占める割合が大きい。2022年現在、欧州の再生可能エネルギー設備容量は708.58GWである。再生可能エネルギーの割合は、2021年と比較して約8.7%増加した。
- 欧州環境庁(EEA)によると、2022年には、欧州で消費されるエネルギーの22%が再生可能エネルギーから生み出されている。また、欧州委員会は、2050年までに気候変動中立への道を開くため、2030年までに再生可能エネルギーによる発電量を40%にするという野心的な目標を掲げている。
- 欧州地域の再生可能エネルギーは、大気汚染を軽減する役割を担っていることから、継続的に成長している。さらに、石炭の廃炉によって生じる需要ギャップを埋めるために、発電所がこの地域の再生可能エネルギーの成長を支えている。
- さらに、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、多くの欧州連合(EU)諸国は、ロシアの天然ガス輸入への依存度を下げるため、再生可能エネルギーの導入を加速させる計画を発表した。ドイツ、オランダ、ポルトガルは、再生可能エネルギーへの意欲を高めるか、当初の目標を前倒しした。
- 風力と太陽光発電は、再生可能エネルギーの力強い成長を牽引すると予想される。ドイツとイギリスでは、2030年までに太陽光発電と風力発電が総発電量の50%以上を占めるようになると予想されている。
- 例えば、英国政府は2022年1月、浮体式洋上風力発電プロジェクトの研究開発を進めるため、4,900万米ドル以上の公的・民間資金を投入すると発表した。政府は浮体式洋上風力実証プログラムの一環として、11のプロジェクトに2,560万米ドルを投資する予定である。