マーケットトレンド の ヨーロッパの植物由来の食品と飲料 産業
ビーガン・ベジタリアン食の人気の高まり
企業は、より多くの植物性食品を食生活に取り入れようと努力するフレキシタリアン層の拡大にアピールしている。さらに、赤身肉を食べることによる健康へのマイナス要因や、動物虐待に対する懸念の高まりから、この地域ではビーガン人口が急増している。もう1つのセグメントは乳糖不耐症の消費者で、国立衛生研究所(NIH)によると、「牛乳やその他の乳製品に含まれる糖分である乳糖を消化する能力が低下しているため、乳製品の代替品を求めている。スウェーデンやフィンランドなどの北欧諸国では、乳糖耐性が広まっている。トルコ、イタリア、ドイツ、スペインは、乳糖不耐症の消費者が最も多い国である。このように、植物由来の食品・飲料のターゲット市場は、菜食主義者に限らず、フレキシタリアン、乳糖不耐症の消費者、さらにはクリーンラベルの食品・飲料の選択肢を求める消費者など、大多数の消費者を含んでいる
このような需要から、多くのメーカーは大きな市場シェアを獲得するために製品の発売を重視している。例えば、2022年1月、欧州最大の食肉メーカーの1つであるデンマーク・クラウン社は、植物由来の代替食品8品目を発表した。デンマーク・クラウンは、ミンチやナゲットといった商品をデン・グルンネ・スラグター(Den Grnne Slagter)として消費者に提供している。この商品群は、同組合初の 植物性食品の大型商品群 と呼ばれている
ドイツが最大の市場
ドイツではビーガンやベジタリアンの人口が増加しており、人口の10%近くがベジタリアンの食事にこだわっている。ドイツでは、食品表示のためにビーガンとベジタリアンの法的定義を設けるまでに至っている。ヴィーガンをはじめとする植物ベースの食生活の人気が急上昇したのは、スーパーマーケットの棚に、より高品質でバラエティに富んだ肉や乳製品の代替品が並ぶようになったことが主な原因である。大手メーカーや大手食品会社の創造性と革新的な製品の発売により、植物性製品の品質と入手しやすさは国内で大幅に向上した。例えば、2022年9月、ライクミートは新製品「ライク・ベーコンを発売した。ライクベーコンはグルテンフリー、大豆ベースのベーコンで、ドイツの食品ブランド初の朝食用製品である。同社は、新製品「ライクベーコンはオランダにある自社のヴィーガン生産施設で生産されているとしている
この傾向が今後数年間も続く可能性があることは、ドイツでベジタリアンやヴィーガンが増えていることからもわかる。さらに、メーカー各社もこの需要に応えるため、新製品の発売に意欲的だ。例えば、2022年1月、世界最大級のオート麦飲料会社であるOatly Groupは、ドイツ鉄道(DB)と広範なパートナーシップを確立した。同社は初の植物性ミルクとして、2022年1月1日からドイツのICEおよびインターシティ列車の車内食堂車でオート麦飲料「オートリー・バリスタの提供を開始した