マーケットトレンド の ヨーロッパのオーガニックベビーフード 産業
代替母乳育児への嗜好の高まり
多くの母親が母乳のみで育てることを計画しているが、多忙なライフスタイルのため、必ずしも母乳のみで育てられるとは限らない。例えば、WHOのヨーロッパ地域は、生後6ヶ月で母乳のみで育てる率が最も低く、約25%である。その結果、ヨーロッパでは働く母親が粉ミルクに切り替えたり、母乳育児と粉ミルク育児を併用したりしている。さらに、従来のベビーフードに使用されている化学物質や添加物などの影響に対する意識が高まるにつれて、欧州の親はクリーンラベルの食品を好むようになっている。そのため、オーガニック食品は市場で大きな需要を獲得している。コーンシロップ、果糖、米シロップ、ショ糖、合成化学物質、防腐剤、遺伝子組み換え作物(GMO)、残留農薬、人工着色料を使用していないオーガニック食品は、現代の母親の間で広く受け入れられている
さらに、HiPPやHolleといった欧州のオーガニックベビー用ミルクの大手メーカーも、オーガニックの脱脂乳(牛やヤギのもの)、乳糖、オーガニックの乳清を使用することで、需要の高まりに沿った製品を製造している
乳児用粉ミルクが大きな市場シェアを占める
現代の母親は子どもの栄養ニーズをますます意識するようになり、ベビーフードのカテゴリーで提供される革新的な製品を試してみようとする。さらに、働く母親は母親業とキャリアを両立させるため、母乳育児に代わる便利な方法を探しており、これは母乳と同じ栄養プロファイルを持つ乳児用調製粉乳の採用率に影響を与えている。消費者の知識の増加に対応して、主要ブランドは革新的な成分と健康的な処方を組み合わせた新製品開発に投資している。例えば、2020年10月、イギリスの乳児用粉ミルクブランドであるKendamil社は、新しく改良されたオーガニック製品を発売した。同社によると、このオーガニック粉ミルクは、100%英国産のオーガニック原料のみを使用し、ヌクレオチド(免疫機能の向上と関連)、タウリン(乳児の脂肪吸収を助けるアミノ酸)、ARA(視力と認知機能の発達の向上と関連)を初めて配合した、先進的な処方を特徴としている。このように、先進的な製品群に後押しされた消費者の関心の高まりが、欧州における有機乳児用調製粉乳の需要を押し上げると予想される