の市場トレンド 欧州の飼料用プロバイオティクス市場
欧州は第4位の鶏肉生産国であり、ブロイラー肉の生産量は鶏肉生産量の82.6%を占めている。
- 欧州は世界有数の鶏肉生産・輸出国で、2021年の年間鶏肉生産量は約1,340万トンと推定される。同地域の食肉消費量は1人当たり年間26.9kgと2番目に多いにもかかわらず、欧州内の鶏肉生産量は世界的な需要増に追いついていない。欧州地域で最大の鶏肉生産国は、ポーランド(生産量の19.2%、250万トン)、フランス(12.5%、160万トン)、スペイン(12.3%)、ドイツ(12%)、イタリア(10.4%)である。
- EU域内では、ブロイラー肉生産が2021年の家禽肉生産全体の大半(82.6%)を占め、次いでアヒル肉が3.3%であった。欧州の鶏群は2021年には約24億5,000万羽と登録され、ロシア、フランス、オランダ、ウクライナ、ポーランド、英国が50%以上を占める。産卵鶏のセグメントは、卵消費の増加によりヨーロッパ全体で成長を経験し、2017年の5,864トンから2021年には6,135千トンに増加した。
- 家禽肉の第4位の輸入国、第3位の輸出国である欧州は、世界の家禽肉市場において重要な参加者である。2021年には、欧州連合はおよそ2,252千トン(枝肉重量)の家禽肉を英国、ガーナ、ウクライナなど数カ国に輸出する。全体として、家禽鳥の生産量の増加、家禽製品の需要の増加、卵の消費量の増加が、欧州における市場成長の主要な促進要因になると予想される。
養殖用配合飼料の需要が82%を占め、水産物輸入の急増が養殖用配合飼料に悪影響を与えた。
- 2022年、欧州は450万トンの生産量で世界の養殖用配合飼料生産において8.0%の大きなシェアを占めた。配合飼料生産は、病気のリスクを減らし飼料効率を向上させるための栄養バランスのとれた飼料への需要の高まりによって、2018年から2022年の間に15%の顕著な増加を記録した。しかし、アクアフェードの生産量は2018年に21.2%の減少を記録し、これは水産物の輸入急増と輸入水産物の相対的な低価格の影響を受けた可能性があり、2018年の配合飼料市場に影響を与えた。
- 欧州地域の主な養殖飼料生産国は、トルコ、英国、オランダ、スペイン、イタリア、フランスで、2021年の生産量は1,740万トンで、2018年から1.7%の伸びを示している。この成長は、人口と一人当たりの水産物消費量の増加に起因しており、これが同地域の養殖生産を牽引している。このことが、予測期間中に18.2%増加すると予想される配合飼料の需要を促進している。
- 水産飼料生産は魚類飼料が圧倒的に多く、2022年のシェアは82%を占め、次いでエビ飼料が4.3%、その他の水生種飼料が13.7%となっている。魚の餌はこの地域で最も消費されている養殖飼料である。他の水生種に比べて生産量が多い。水産物と養殖製品の需要増に牽引される養殖セクターの拡大と、食肉の品質に関する意識の高まりが、調査対象市場の成長を増大させる主な要因である。
本レポートで取り上げているその他の主要業界動向
- 欧州の畜産部門は成長を遂げており、牛肉は同地域で3番目に消費される肉である。
- 鳥インフルエンザの発生とロシア・ウクライナ戦争は飼料生産にマイナスの影響を与えたが、家禽人口の増加は家禽飼料の需要を増加させた。
- EU東部諸国におけるアフリカ豚熱(ASF)の流行と穀物価格の高騰は、2020年から2021年にかけて悪影響を及ぼした。
- スペインの豚頭数はヨーロッパの豚頭数の24.3%を占め、ハンガリーの政府による飼育支援が豚の需要増にさらに貢献している。
- 政府の資金援助と財務リスクの低減は反芻動物用飼料の増産に役立っているが、動物福祉政策と光熱費の増加がこの地域の足かせとなっている。