マーケットトレンド の ヨーロッパの栄養補助食品 産業
予防医療製品への消費者投資の拡大
- 欧州では人口の高齢化が進んでおり、全体的な健康維持と増進に役立つさまざまな栄養補助食品の需要が高まっている。この傾向は、同地域の医療費の高騰によってさらに拍車がかかっている。欧州の人々は、伝染性疾患と非伝染性疾患の両方の医療費にかなりの額を自己負担しているからである。
- 例えば、経済協力開発機構(OECD)によると、ドイツでは2021年、1人当たりの医療費自己負担額は平均858.4米ドルだった。菜食主義者や自然志向のサプリメントは、健康上の利点が認められて人気を集めており、最も急成長しているカテゴリーのひとつである。特にプロバイオティクスは、腸の健康を助けることから、近年大きな成長を遂げている。
- 市場の各社はこのトレンドにいち早く対応し、こうしたサプリメントを含む製品ポートフォリオを拡大している。例えば、2022年6月、プロクター・アンド・ギャンブルは、欧州を含め、栄養補助食品の新シリーズを発売した。
イタリアが最大の市場シェアを占める
- イタリアの消費者は、機能性食品を高く評価し、それが大きな健康効果をもたらすと考えている。その結果、機能的特性を備えた手頃な価格の製品を求める傾向が強まっている。このため、食生活と健康との関連に対する意識の高まりや、必要不可欠な栄養を供給しながら健康増進を図ることができる栄養補助食品に対する願望が、市場の大幅な成長につながっている。
- 同地域の消費者は特に予防医療に重点を置いており、その結果、医療への支出が増加している。また、同国では肥満の有病率が増加しており、フィットネス用サプリメントやその他の栄養補助食品の需要を牽引している。2023年のWorld Population Reviewのデータによると、イタリアの成人の19.9%が肥満である。
- 消費者のニーズを満たすため、この地域の市場プレーヤーは新しい栄養補助食品を発売している。例えば、2021年2月、Garden of Life社は、赤ちゃんに最適な健康を提供するように設計された新しいベビービタミンを発売した。これらの液体サプリメントは、米国農務省(USDA)のオーガニック認証、非遺伝子組み換え生物(GMO)プロジェクト認証、ビーガンおよびグルテンフリー製品である。