マーケットトレンド の ヨーロッパ乳業 産業
乳製品消費量の増加は、オーガニック・ナチュラル乳製品への関心の高まりとバターベースのスナック需要の増加に起因する。
- 2022年、欧州の一人当たり乳製品消費量は2021年比で2.9%増加した。国内の牛乳消費量は2020年のCOVID-19の発生により増加し、2022年も大幅に維持された。EUの消費者は、オーストリアやドイツで生産されている「干し草ミルクのように、より自然で健康的であると考え、有機栽培やその他の自然な手法で生産された牛乳やその他の乳製品を消費することに徐々に関心を持つようになった。しかし、製造コストの上昇により、この傾向は2022年に行き詰まる。2025年までに、欧州における乳製品の一人当たり消費量は2023年から5.0%増加すると予想される。
- 欧州の消費者はクッキーやクランチーのようなバターベースのスナック製品に移行している。その結果、バターの輸入量が増加している。EU27のバター輸入量は、ブレグジットの影響で2020年と2021年に減少したが、2022年には回復した。バターの輸入量は2023年には1.45%横ばいになると予測されている。EUのバター輸入は実質的に英国からの輸入に限られている。これとは対照的に、EU27のニュージーランドからのGATT WTO関税率割当(TRQ)へのバター輸入は、ブレグジット後に制限されている。
- ピザ、モルタデッラ入りの焼きマカロニなど、チーズを使った焼き食品の需要が高まる中、同地域でもチーズの需要が高まっている。EU27へのチーズ輸入はスイスとイギリスに限られている。英国の輸出業者がブレグジット後の新たな税関検査に直面したため、英国からの輸入は2021年に減少した。EUのチーズ輸入は、スイスからの輸入が減少したため、2022年にはわずかに減少した。2023年は横ばいと予測される。
本レポートで取り上げているその他の主要業界動向
- ヨーロッパにおける生産量の増加は、イギリスのような国々におけるバター生産の自給率向上と、ヨーロッパ産バターの世界的な需要増加によるバター輸出の増加予測によるものである。
- ヨーロッパのチーズ生産は、生乳生産量と出荷量、ファームゲート乳価、国内消費動向、投入資材価格、世界のチーズ需要に影響される。
- 酪農技術の進歩と悪天候が、欧州の生乳生産に影響を与える主な要因として浮上した。