マーケットトレンド の ヨーロッパの建設用接着剤およびシーラント 産業
アクリルは最大の樹脂
- 建設業界では、カーペットの敷き詰め、床材、木材、プレハブパネルの接合、壁の被覆、ウェザーシール、屋根などの目的で接着剤とシーリング剤を必要としている。EURO CONSTRUCTの報告書によると、建設業界は2022-2024年に西ヨーロッパで年平均成長率6.1%を記録し、2022-2024年に中東ヨーロッパで年平均成長率6.4%を記録すると予想されている。このため、予測期間中に建築用接着剤およびシーリング剤の需要が増加することが予想される。
- 欧州委員会は、エネルギー効率指令(Energy Efficiency Directive)や建築物のエネルギー性能指令(Energy Performance of Buildings)といった枠組みにより、住宅インフラをエネルギー効率の高いデジタル資源性能に移行させる政策を策定している。こうした取り組みにより、既存の建物の改修が必要となり、予測期間2022~2028年には建設に必要な接着剤とシーリング剤の需要増につながる。
- 屋根材、床材、窓の取り付けなど、さまざまな用途の建設産業で使用されるファスナーは、優れた強度を保持する建設用接着剤とシーリング剤で防ぐことができる故障が発生しやすい。建設における効率的な資源計画の発展に伴い、建設用接着剤およびシーリング剤の需要は2022-2028年の期間に増加すると予想される。
- アクリル樹脂は、機械的接合や異なる基材との接着剤として、また収縮しやすい材料のシーラントとして幅広く使用されているため、2021年時点で欧州の建設用接着剤およびシーラント市場の金額シェアで最大のシェアを占めている。これらの用途により、建設業界で広く使用されており、その需要は予測期間中に拡大すると予想される。
ドイツは最大の国
- 2020年に建設生産高が全体として4.4%減少したのは、COVID-19のパンデミックがヨーロッパ全土に広がり、全国的な閉鎖、サプライチェーンの混乱、社会的距離の強制的な規制等につながったためである。これらの要因により、2020年の建設に必要な接着剤とシーリング剤の需要は減少した。建設生産高が前年比16.8%減を記録したスロバキアのような国々での大不況のため、欧州以外の地域セグメントでは減少幅が最大となった。
- 建設用接着剤およびシーリング剤の需要は2021年に大幅に増加したが、これは、次世代EUなど2020年のCOVID-19による全体的な景気減速に対するEU委員会の回復計画のためである。建築用接着剤およびシーリング剤の需要全体の伸びは、デンマークなどの北欧諸国が建設生産高で前年比17.8%の伸びを記録したため、2021年のその他の欧州セグメントが最も高かった。
- EURO CONSTRUCTが2021年に発表した報告書によると、欧州の建設用接着剤・シーリング剤市場における金額シェアは、アイルランドなどの国々の建設生産高全体が15.1%増、次いでスペインが14.3%増、スロバキアが13.5%増となる見込みであるため、シェアの半分近くを占めるその他の欧州セグメントが最も高い。