マーケットトレンド の ヨーロッパコンプレッサー 産業
石油・ガス産業セグメントが市場を支配する見込み
- コンプレッサーは、気体の体積を減らして圧力を高める機械装置である。石油・ガス産業で広く使用されている。石油・ガス事業の上流、中流、下流の各セクターでは、送電、貯蔵、ガス収集、ガスリフト、ガス注入、フラッシュガス圧縮、冷凍など、数多くの用途で圧縮が必要です。
- 欧州の数カ国は、環境問題への懸念の高まりから、石炭ベースのエネルギーを段階的に廃止することを目標としている。このような決定は、石炭よりもクリーンなエネルギー源を提供するガスベースの電力を増やすきっかけになりそうだ。
- 2021年、この地域からの液化天然ガス(LNG)輸出総量は38億立方メートル(bcm)だった。ガスからのLNG転換にはコンプレッサーが使用される可能性が高く、同地域からのLNG輸出の増加は同地域のコンプレッサー市場にプラスの影響を与えると予想される。
- 2022年2月、英国の石油・ガス会社BP PLCはHydrogen Chemistry Company(HyCC)と、オランダ・ロッテルダムの港湾地域で250MWのグリーン水素プラントH2-Fiftyをさらに開発する共同開発契約を締結した。コンプレッサーは、水素の体積を減らして圧力を高め、圧縮水素を得ることで、水素生成において重要な役割を果たす。
- さらに2022年6月、Neste Oyjはフィンランドのロッテルダム製油所拡張プロジェクト20億米ドルの財務投資決定(FID)を行った。このプロジェクトは、フィンランドの石油精製・販売会社がオランダの製油所の再生可能製品生産能力を年間140万トンから270万トンに拡大するのに役立つ。
- 以上のことから、予測期間中、石油・ガス産業分野が欧州のコンプレッサー市場を支配する可能性が高い。

ロシアが市場を支配する見込み
- ロシアでは、エネルギーは同国経済にとって不可欠な要素であり、国家歳入の約40%に貢献している。さらに、ロシアは2021年以降もエネルギー輸出国の上位を維持すると予測されており、そのためヨーロッパ最大のコンプレッサー市場になる可能性が高い。
- 食品の生産と加工は、ロシア経済の重要な部分を占めている。ロシアでは生活のペースが速く、保存が容易で、包装食品の賞味期限が長くなっているため、外出先での消費に適した製品に対する需要が高まっている。
- さらに、発電における天然ガスの割合の増加は、天然ガス価格の低下とそのようなプラントの増加によってもたらされており、これがコンプレッサー市場を牽引すると思われる。
- 近年、日本ではLNG輸出が急増している。世界のLNG市場への進出の増加に伴い、同国はLNG産業のインフラに投資すると予想され、コンプレッサー市場に直接的な影響を与えそうだ。
- 2021年のロシアのガス生産量は7017億立方メートル(bcm)で、2020年の生産量637.3bcmを上回った。同国はすでに、エネルギー生成のための石炭使用量を減らし、天然ガスで補い始めており、これが同国のコンプレッサー市場を牽引することになりそうだ。
- 2022年8月、ロシアの石油化学会社SIBURは、シノペックとのアムール・ガス・ケミカル・コンプレックス(AGCC)開発戦略を見直す計画を発表した。また、アムール・ガス・ケミカル・コンプレックスは世界最大級のポリマー生産施設となる予定だ。完成すれば、ポリエチレンは230万トン/年、ポリプロピレンは400トン/年の生産能力を持つことになる。同施設は、ロシアと中国の国境に近いアムール州スヴォボドニ近郊に建設される。
- 以上のことから、予測期間中、ロシアが欧州コンプレッサー市場を支配すると予想される。
