マーケットトレンド の ヨーロッパの自動車用ディスプレイ 産業
市場を牽引する自律走行車と電気自動車
ノルウェーは電気自動車の導入で他国の模範となっている。例えば、2019年の新車販売台数のうち、電気自動車が占める割合は約60%である。しかし、他の欧州諸国では販売台数はもっと多い可能性があるが、電気自動車の販売比率はもっと低い
大手自動車メーカーとディスプレイ・メーカーは、将来の電気自動車や自律走行車向けのディスプレイの研究開発にかなりの額を費やしている
例えば2019年、BMWはiNext電動クロスオーバー曲面ディスプレイを展示した。この曲面ディスプレイでは、情報ディスプレイと制御ディスプレイが統合され、ドライバーに向かって湾曲した単一のユニットが作られている。曲面スクリーンは、乗員からインストルメントパネルとの接続が見えないように配置されている
同様に、全電動自律走行SUVのバイトンMバイトは、48インチのダッシュ・ディスプレイを搭載している。このディスプレイはAI音声技術によって制御され、ジェスチャー制御や顔認識も可能だ
OLEDが自動車用ディスプレイ市場で急成長
様々な展示会で有機ELディスプレイを搭載した乗用車が発表されたが、その普及率はコンシューマーモデルではLCDよりも低い。2017年、自動車業界のOLEDディスプレイパネル総出荷量は235万台であった。さらに、そのうち99%以上がPMOLED(Passive Matrix - OLED)ディスプレイであった。AMOLEDスクリーンは主に高級車の後部座席エンターテインメントに使用されている。しかし、OLEDディスプレイ・システムは、今後5年間で他の技術よりも早く採用されると予想されている。現在、今後発売される自動車のほとんどがOLEDディスプレイを搭載している。例えば、
キャデラックは、湾曲した有機発光ダイオード・スクリーンを搭載した高級SUV、2021年型エスカレードを発表した。このディスプレイ・システムは、紙のように薄いOLEDを含む3つのスクリーンで構成され、その湾曲によってディスプレイ・スクリーンが最適な視認性を得られるように配置されている
メルセデス・ベンツはLG製有機ELパネルの採用を計画しており、2020年末までにSクラスとEクラスにLCDではなく有機ELが搭載される可能性がある