マーケットトレンド の ヨーロッパの接着剤 産業
市場を支配する包装エンドユーザー・セグメント
- 包装分野は欧州接着剤市場の最大消費者である。包装産業は、食品・飲料、化粧品、消費財、文房具などのエンドユーザー産業からの強い需要を目の当たりにしている。
- ドイツは欧州最大の電子商取引市場のひとつであり、人口も第2位であるため、包装製造市場の原動力となるだろう。オンライン商品の総売上高は2021年に約1060億米ドルに達し、2020年の890億米ドルに比べて増加した。
- イギリスでは、プラスチック包装がプラスチックゴミ全体の約70%を占めている。そのため、プラスチック包装が主な懸念事項であり、紙包装の需要が増加している。英国で2022年4月1日に施行されたプラスチック税(再生プラスチックを30%以上含まないプラスチック包装に課税)も、紙ベースの包装の需要を押し上げる可能性が高い。
- 英国では2021年に約190万トンの包装用紙と板紙、530万トンの段ボールが生産され、それによって同国の包装用接着剤の需要が増加した。
- 同様に、フランスでは包装材の生産量が増加し、2020年の生産量が9,770万kgであったのに対し、2021年には1億1,080万kgに達し、2021年の接着剤消費量は2020年比で約6.25%増加した。フランスでは年間約480万トンのプラスチックが生産され、そのうち45%が包装用に使用されている。
著しい市場成長を記録するイギリス
- イギリスはこの地域で最大の接着剤消費国のひとつである。建設活動の成長、包装産業における消費の増加、ヘルスケア産業と自動車産業の成長が、同国における接着剤消費を促進する主な要因である。
- 建設業界は、屋根材、配管、床材などの多様な用途により、イギリスの接着剤市場を牽引している。政府は今後5年間で住宅、科学技術革新、交通、5Gネットワークに278億米ドルを投資する計画で、そのうち約87億米ドルが新築住宅の建設に、約48億米ドルがインフラ整備に割り当てられている。
- さらに政府は、学校や病院などの主要な社会インフラとともに、大規模な住宅プロジェクトに1229億米ドルを投資する計画を持っている。これらのプロジェクトでは、政府は約100万戸の住宅建設を約束しており、接着剤需要の増加が見込まれている。
- 同様に、英国では、EVの新モデルが利用可能になり、政府の支援が継続し、公共充電インフラが拡大し続けているため、電気自動車の生産台数が増加している。生産台数の増加は、英国の接着剤市場を改善すると予想される。
- 英国の医療における接着剤は、その大部分が医療機器産業全体で調達されている。英国の医療機器市場は、欧州ではドイツ、フランスに次いで第3位、世界では第6位である。国内の医療機器製造は、多数の小規模医療機器メーカーと、市場で大きな存在感を示す少数のグローバルメーカーによって区別されている。多くの米国大企業が英国に子会社を持っている。