マーケットトレンド の 電気絶縁材 産業
市場を支配するのは送電線とケーブルの用途
- 電気絶縁材料は電気を通さない。電気絶縁材料は、送電線やケーブル、発電機、電気回転機械、変速機、変圧器などに応用されている。
- 送電ケーブルは、発電所からさまざまな場所に電気を運ぶ。発電機、変圧器、回転機械は発電産業の一部である。絶縁材料は、送電線やケーブル線を通して、電気が途絶えたりエネルギーを浪費したりすることなく移動することを可能にする。
- パワー・テクノロジー社によると、2021年現在、世界で最も延長されている送電線のトップ3はブラジルである。長さ2,543kmのベロモンテ-リオデジャネイロ送電線が1位で、リオマデイラ送電線、ベロモンテ-エストレイト送電線がそれに続く。
- 米国エネルギー省の試算によると、2021年には米国で約200マイルの送電線が敷設される。同年に完成した総延長のうち、電圧が230KVまでのプロジェクトが52%近くを占めている。
- 電圧230KVまでのプロジェクトの走行距離は約101マイル。残りの92マイルは230~345KVのプロジェクトでカバーされた。
- ある場所から別の場所へ安全に送電するために、送電線を敷設する多くのプロジェクトが進行中である。例えば、2022年4月に完成予定のパシフィコープのアイダホ州南東部プロジェクトは、地域の電力需要の増加に対応するため、老朽化した送電線を新しい送電線に置き換えることを目的としていた。このプロジェクトでは、アイダホ州ファース近郊のゴーシェン変電所からアイダホ州レックスバーグのレックスバーグ変電所まで、多段階の電気系統のアップグレードが必要だった。
- 前述の送電ケーブルの拡張と新規プロジェクトにより、電気絶縁材料の需要が大幅に増加した。
アジア太平洋地域が市場を支配する
- アジア太平洋地域は、電力部門が高度に発達していること、エネルギー・サービス部門において中国とインドで最近目撃された急速な工業化により、世界市場を支配すると予想されている。
- 同地域の電力需要は、家計所得の増加や様々な用途での電力消費の増加に伴って増加すると予想される。電気エネルギーを機械エネルギーに変換する回転電気機械は、材料を通さずに機械部品内部でよりよく電気を伝達するために絶縁材料を使用する。
- 中国の送電線のうち2つが、2021年時点で世界で最も延長された送電線のトップ5に入っている。ひとつは、世界第4位の全長2,090kmの金平-蘇南送電線で、次いで全長1,980kmの湘家場-上海送電線である。
- インド政府電力省によると、2023年1月時点で、送電線路4,63,758回線km、変電容量11,56,105MVAとなり、世界で最も大規模な同期相互接続送電網のひとつとなった。
- また、国土交通省の報告書によると、2021年度の日本の一次建設業者50社による送電線建設工事の受注額は約2,583億6,000万円(~23億5,000万米ドル)であった。ただし、前年度比6.6%減である。
- 電気絶縁材料も電気自動車事業に必要である。電気絶縁材は、電気の流れを調整し、敏感な部品を保護する非導電性材料で構成される。電流から適切に保護され、火災を防止し、電気エネルギーが適切な経路に留まり、他の部品と相互作用してショートしないことを保証するため、これらの新技術をより安全に採用することができる。
- さらに、インシュレーターはEV車載充電器、DC/DCコンバーター、パワーエレクトロニクスコントローラー、DC充電ステーション、バッテリー管理システムを保護する。中国自動車工業協会によると、2022年の新エネルギー車の販売台数は2021年比で93.4%急増した。新エネルギー車全体の販売台数は、2021年通年では約350万台に過ぎなかったのに対し、2022年末には約680万台に達した。このような国内でのEV生産・販売の増加は、間違いなく市場の需要を高めるだろう。
- したがって、産業界における電力使用量の増加と、EV生産における増加する材料の使用が、アジア太平洋地域における電気絶縁材料市場を今後数年間にわたり牽引すると予想される。