マーケットトレンド の 電気試験装置 産業
半導体とコンピューティングが最大のエンドユーザー産業になる見通し
- 半導体製造企業による自動試験装置(ATE)の採用は、半導体デバイスの性能運用速度の向上とコスト削減につながり、市場成長に好影響を与えると予想される。
- 半導体自動試験装置(ATE)は、抵抗器、コンデンサ、インダクタなどの必須部品から、複雑な集積回路(IC)、プリント回路基板(PCB)、完全に組み立てられた電子システムまで、多様な電子機器やシステムを試験することができる。ATEは、電子部品やシステムのポストファブリケーションを検査するために、電子機器製造分野で広く採用されている。半導体産業の勃興を考えると、ATEに対する需要はかなり高まると予想される。
- 半導体産業は急速な拡大を経験しており、半導体は現代技術の基本的な構成要素となっている。SIAによると、半導体の世界売上高は2023年第2四半期に1,245億米ドルに達し、2023年第1四半期から4.7%増加した。さらに、2030年までに半導体製造能力に対する世界需要が56%急増すると予測している。このような近未来的な発展により、電子検査装置に対する大きなニーズが生まれると予想される。
- 市場は、IoT、ビッグデータ、人工知能(AI)などの技術の出現により、チップの電力性能、効率、コスト、面積、市場投入までの時間を迅速かつ大幅に改善する需要の増加を目の当たりにしている。このような顧客の要求や嗜好の変化は、半導体試験装置市場の成長の重要な推進要因の一つになると予想される。
- SIAは2023年6月、WSTS Spring 2023世界半導体販売予測を正式に支持した。同予測では、2023年の世界年間売上高を5,151億米ドルと見積もっており、2022年の5,741億米ドルから減少している。2024年の世界売上高は5,760億米ドルに達し、業界史上最高となる見込みである。政府の好意的な取り組みや半導体チップに対する需要の高まりと相まって、半導体設備への支出が増加しており、世界中でファウンドリーの新設に対する関心が高まっていることを示している。このようなチップ生産の増加は、電子試験装置の需要を促進すると予想される。
アジア太平洋地域が市場を支配する見込み
- アジア太平洋地域は、主に中国、日本、韓国、インドの広範な製造拠点に牽引され、半導体・エレクトロニクス産業を大きく支配しており、エレクトロニクス産業の最終組立も急速に成熟している。
- フォックスコン・テクノロジー・グループやメガトロン・アジア・パシフィック・リミテッドなどの大企業がインドで工場設立を進めている。IBEFによると、インドは2025-26年までに3,000億米ドル相当のエレクトロニクス製造と1,200億米ドルの輸出を達成することを約束している。また、2023-24年度連邦予算では、電子情報技術省に16,549クローネ(20億米ドル)が割り当てられており、これは毎年約40%増加している。
- この地域の試験・検査活動の活発化により、電気試験装置に対するかなりの需要が見込まれる。以前は、ほとんどの地域企業が試験と認証業務を社内で行っていた。しかし、中国の強制認証規制により、厳格な規制基準の必要性がより重視されるようになった。このため、試験サービスのアウトソーシングが増加し、試験サービス会社における試験装置の需要が高まっている。
- コンシューマー・エレクトロニクス業界を除けば、この地域では格安航空会社が圧倒的なシェアを占めている。そのため、検査やサービス業務の大半はアウトソーシングされている。このため、シンガポールは保守・検査サービスの地域ハブとして台頭してきた。シンガポールを拠点とする航空会社は、20年以上にわたってこの地域での優位性を維持してきた。しかし、インドネシア、ベトナム、タイといった国々がシンガポールの優位性に挑戦している。
- さらに、同地域は横河(日本)、アドバンテスト(日本)、アンリツ(日本)、リゴル・テクノロジーズ(中国)、サイエンテック・テクノロジーズ(インド)など複数の主要企業の拠点となっている。これらの企業は、この地域の他のさまざまな企業とともに、製品イノベーションに継続的に取り組み、さまざまな産業アプリケーションにソリューションを提供している。
- 2022年8月、株式会社アドバンテストは、高速SoCテスタの量産展示評価において、ローデ・シュワルツ社の高性能オシロスコープ「RTPと協業した。この提携に伴い、同社は最新の要求に応えるべく、製品の品質向上を目指している。このような地域企業の取り組みは、市場の成長を促進すると期待される。
- さらに、高圧線や発電所の建設など複数のインフラ・プロジェクトが、この地域の電気試験装置需要を促進すると予想されている。例えば、2022年8月、中国の国家電網は、2022年下半期に1500億人民元(220億米ドル)以上の資金をUHV送電線に投入する計画である。新たに8つのUHVプロジェクトが建設されることで、太陽光、風力、水力発電所が主に立地する中国のはるか西方の地域と主要都市が結ばれ、市場の成長がさらに促進されると期待されている。