マーケットトレンド の エジプトの石油とガスの下流 産業
市場を支配する製油所
- 精製部門は近年エジプトの石油・ガス下流市場を支配しており、予測期間中もその傾向が続くと予想される。
- 同国の精製能力は近年、日量810~795千バレルと比較的一定しているが、これは主に同部門の新規・拡張プロジェクトが不足しているためである。
- エジプト政府は、新規製油所の開発と既存製油所のアップグレードを含む、国内の製油所インフラを拡大する戦略的政策を採用している。この開発により、同国の川下産業が活性化すると期待されている。
- 2021年8月、エジプト石油鉱物資源相は、約140億米ドルを投資し、5つの一次精製・石油化学プロジェクトを実施すると発表した。
- エジプトの製油所は老朽化しており、何年も未稼働のままである。そのため、地域のエネルギー・ハブとしてエジプトを発展させるためには、改善が鍵となる。現在、エジプトの製油所は主に国内で生産された原油を処理し、精製された製品は地元市場に販売されている。
- 国内の既存の製油所は、ディーゼル、LPG、ガソリンなどのハイエンド製品を生産するためにアップグレードする必要がある。国内の製油所の現状は、排出ガスが許容範囲内であることを保証する自動車燃料のEU市場基準を満たしていない。したがって、製油所のアップグレードは、同国からの将来の輸出に利益をもたらす可能性が高い。
- 従って、このような要因から、製油所部門は将来的に同国の石油・ガス下流市場を支配することになるだろう。
石油・ガス消費の拡大が市場を牽引
- エジプトは発展途上国であり、近年、主に工業・商業部門の立ち上がりと人口増加により、石油・ガス消費量が大幅に増加している。
- 同国の石油消費量は、過去10年間はやや低迷していたものの、徐々に増加しており、予測期間中には大幅な伸びが見込まれる。同国のガス消費量は、2011年の日量46億立方フィートから2021年には日量60億立方フィートへと、30%以上増加した。
- 予測期間中もそれ以降も、経済成長と産業・商業部門の成長に後押しされ、ガス需要の急速な増加が続くと予想される。
- 2018年、同国は欧州エネルギー委員会と重要なエネルギーMoU(覚書)を締結し、同地域のエネルギーハブとなった。近年、同国は国際企業と利権協定を結ぶことができ、石油・ガス部門を牽引している。
- こうしたすべての要因が、予測期間中のエジプト石油・ガス下流市場の牽引役となることが期待される。