マーケットトレンド の 東ヨーロッパ C4ISR 産業
国防費の伸びが市場成長を牽引
東欧のいくつかの国は2019年に国防費を大幅に増加させた。特に東欧のNATO加盟国では軍事費が急増した。 SIPRIによると、ブルガリアの国防費は2019年に120%以上増加して21億8000万米ドルに達し、ルーマニアは17%増加した。また、スロバキアの軍事費は約40%増加し、18億7000万米ドルに達した。ロシアは東欧最大の国防支出国である。同国は長年にわたり軍事費を増加させてきた。2019年、ロシアの軍事費は2018年と比較して4.5%以上増加した。651億米ドルで、ロシアの軍事費は2019年に世界で4番目に高かった。さらに、モルドバやウクライナなどの国の軍事費も2019年に10%以上増加した。これらの国々は、新しいC4ISRシステムと装備の調達を可能にする大規模な軍事近代化活動を選択しており、それによって予測期間中の市場を牽引することになるため、軍事支出の増加は、この地域の市場成長に大きな役割を果たすと期待されている
2019年、ロシアが最大の市場シェアを占める
2019年、ロシアは東欧C4ISR市場で最大の市場シェアを占めた。ロシアは世界的に軍事大国の一つである。2017年と2018年に2年連続で国防支出が減少した後、2019年にロシアの国防支出は回復し651億米ドルに達した。ロシアの軍事費は過去20年間で大きく伸びた。2010年から2019年の間に実質ベースで30%、2000年から2019年の間に175%の増加を示した。同国は近年、軍事資産の近代化を重視しており、その資金は軍事費の急増によって賄われている。過去10年間、同国は最新技術の活用と既存システムのアップグレードの両面から、指揮統制(C2)の改善に注力してきた。この点で、同国はネットワーク中心戦争能力を獲得する努力の一環として、自動化された指揮統制システムを開発・導入してきた。2019年6月、ロシア国防省は新しい自動指揮統制システム(Avtomatizirovannyye Sistemy Upravleniya-ASU)の最新版のプロトタイプを導入し、2019年初めに試験を開始した。陸軍は予測期間中にシステムの試験段階を完了し、指揮部隊全体に導入する計画である。このような動きは、予測期間中のロシア市場を牽引すると期待されている