マーケットトレンド の 電動自転車バッテリーパック 産業
高まるリチウムイオン電池の需要
2021年から2023年の間に、1億3,000万台以上のe-bike(すべてのバッテリー技術を使用)が販売されると予想されている。2023年には、e-bikeの販売台数は世界で4,000万台を超えると予想されている。毎年販売されるe-bikeの大半は、重い鉛蓄電池を使用している。予測期間中、世界で販売されるe-bikeの約5分の2がリチウムイオン電池を搭載すると予想され、リチウムイオン電池を搭載したe-bikeの割合は2021年の約25%から始まり、予測期間中に60%以上に上昇する
E-bikeは効率的なモーターと最大の一体型バッテリーを搭載している。それでも、長時間のライドでは需要は満たされない。この課題に対処するため、バイカーがバッテリーの状態を心配する必要がないように、e-bikeのレンジエクステンダーが追加で市場に投入されている。例えば
- 2022年2月、Priority Bicycles社はCurrentシリーズのe-bike用にレンジ・エクステンダーを発売した。レンジ・エクステンダーは500kWhのバッテリーで、自転車の標準航続距離を2倍の64キロメートル、低出力で使用する場合は80キロメートルまで伸ばすことができる。
e-bike用バッテリーはこれまで主に大手メーカーが生産してきたが、競争の激しい市場で競争するため、多くの中小企業も革新的な方法で耐久性の高いバッテリーを作り始めている
主要企業は、新しいバッテリーを発売することで、バッテリー全体の航続距離と性能の向上に取り組んでいる。例えば
- 2022年9月、ボッシュはレース向けの新ドライブシステム「ボッシュ・パフォーマンス・ラインCXレース・リミテッド・エディションを発表した。レースモードでは、この新システムはライダーのパワーを最大400%サポートするため、ライダーはより速くスピードに乗ることができる。 2022年9月、ヤマハ自転車はトルク75NmのヤマハPWシリーズS2ドライブユニットのアップデートを発表した。この新型モーターは、前世代のPW-STモーターに比べてトルクが7%向上、16%の軽量化、20%の体積削減を実現している。
アジア太平洋地域が大きな市場シェアを占める
2021年、アジア太平洋地域はe-bikeバッテリーパックの最大市場であった。中国は、国内における激しい交通状況と増加する車両汚染に取り組むため、電動バイクの消費が高いことから、2018~2020年のアジア太平洋地域のe-bikeバッテリーパック市場の50%以上に貢献している
中国は、e-bikeとe-bikeコンポーネント、特にバッテリーの世界市場リーダーである。同市場のプレーヤーは、競争に勝ち残るため、研究開発能力と生産能力に絶えず投資している。例えば、Contemporary Amperex Technology、Tianneng Battery、Shenzhen Topbandは、主にe-bicycle用途のLFP(リン酸鉄リチウム)電池の生産ラインを増設している
COVID-19の発生により、中国では電動自転車の需要が急増した。中国ではMaaS(モビリティ・アズ・ア・サービス)のコンセプトが浸透しつつあり、MeituanのMobikeのようなバイクシェアリング企業は、2021年の需要増に対応するため、複数の電動バイクを道路に投入した。バイクシェアリング企業はバッテリーメーカーと協力し、専用の売店で放電したバッテリーや故障したバッテリーを交換している。充電インフラを強化するための投資も行われており、人工知能などのテクノロジーを活用することで、より正確な需要予測が可能となっている
また、日本はアジア太平洋地域で2番目にe-bike用バッテリーパックの需要が見込める国である。同国の市場成長を牽引する主な要因は、あらゆる年齢層にわたる顧客基盤の拡大と電動スポーツ自転車の普及である
このように、アジア太平洋地域は、上記の要因により、世界最大のe-bikeバッテリーパック市場であり続けると予想される