マーケットトレンド の デジタル決済 産業
市場成長を牽引する小売業界
- 決済市場は消費者の行動に合わせて大きく変化している。決済市場に影響を与えるトレンドとしては、キャッシュレス経済、モバイルバンキング、即時決済、デジタルコマース、規制当局の影響力の拡大などが挙げられる。また、非接触型決済は行列が少なく、手持ちの現金が多すぎるなどの問題がなくなるため、消費者にもメリットがある。
- アジア太平洋地域は、中国やインドなどの国々がデジタル・ウォレットやモバイル・ウォレットを利用したデジタル決済を導入していることから、市場の大幅な成長が見込まれている。ユビキタスモバイルデバイス、高度なデジタルインフラ、アプリの利用拡大が、アジア太平洋地域でのデジタル/モバイルウォレットの増加を後押ししている。
- さらに、消費者が電子商取引サイトを通じて食品や衣料品などの必需品を注文するため、電子商取引の需要が急増している。ほとんどの消費者はデジタル決済を好んでいる。インド準備銀行(RBI)が1月に発表したデジタル決済指数(DPI)は、インドにおける決済のデジタル化の度合いを示すもので、3月の270.59に対し、9月の指数は304.06となった。これは、インド全土でデジタル決済が急速に普及し、深化していることを意味する。
- さらに、戦略的提携の増加により、各社は小売市場での足跡を拡大している。例えば、デジタル決済のリーダーであるEzetapは10月、Axis銀行と提携し、インドの小売企業に最新のサービス「My Vyapparを導入した。この提携により、1600以上の都市で5万台以上のスマートPOSデバイスがMy Vyapparを利用できるようになる。加えて、Phone payは、デジタル決済のゲームをアップグレードし、アリババが支援するPaytm、Google Pay、Amazon Payなど、市場で確立されたプレーヤーとよりよく競争するために、モバイルプラットフォームIndus OSを6,000万米ドルで買収する処理を発表した。そのため、このような取り組みは、同市場におけるさまざまな新興ベンダーのビジネスチャンスの原動力となっている。
- エリクソンのデータによると、昨年の世界のスマートフォン契約総数は約62億5,900万件だった。今年末には約65億6,700万ドルに達すると予想されている。さらに、2027年には約76億9,000万に達すると予測されている。したがって、世界的なスマートフォンの総契約数の増加に伴い、デジタル決済市場は、今後数日間で、広大で有利な成長機会に直面すると推定される。